Inside Carbonシリーズの1つとして、「FontSync Reference」というドキュメントが公開されている。Mac OS 9のコントロールパネルに「FontSync」というものがあり、これはなんなのかと思っているかもしれないが、その答えはこのドキュメントに含まれているだろう。プログラミングについての情報があるものの、FontSyncのコンセプトの説明が中心なので、システム上のどんな動作を目標としているのかを知ることができる。FontSyncは、異なるシステム環境でのフォントの再現性を高めるというのが大きな目標となっているが、ハイエンドの印刷システムが1つのターゲットとなるようだ。アプリケーション側では、最適なフォントを探すようなAPIが用意されていて、プログラムを追加することで、“FontSync対応”となるようである。フォントの場合は、利用するアプリケーションはもちろんだが、フォント自体のデータフォーマットも古いものから新しいものまでいろいろあり、世界は複雑である。さらにMac OS XではOpen Typeに統一されるなど、まだまだ変化が大きい世界だ。フォント不一致による影響はレイアウトでは大きいために、今後もある種の混乱は続くが、その解決策の1つはFontSyncにあるようにも思われる。DTP系のソフトを作成している人やあるいはシステム的に関係している人は、いまのうちにFontSyncについての知識を得ておく必要はあるだろう。 |