タイトル【レビュー】新登場のメールソフトNusus Email、独特の操作感が特徴カテゴリー電子メールソフト
作成日2000/7/14 19:28:35作成者新居雅行
新しい発想のメールソフトとして登場したNusus Mailの日本語版が登場する。MacWIREを通じて、そのサンプル版を入手できたので、レビューとして様子をお届けしよう。バージョンは、1.0.6-Jとなっている。メールソフトといえばOutlook Express的に、メール一覧、メールの内容などがウインドウに表示されるものというイメージがあるだろう。それにくらべて、Nusus Emailは大きく違う。メールの受信に関しては、受信したメールを1通を1つのテキストファイルで保存しておく。そして、それを、テキストエディタあるいはNususWriterなど文書編集ソフトで開いて参照するのである。一方、メールの送信はもっと独特で、パレットにテキストをドラッグ&ドロップすることでそのドラッグ&ドロップしたテキストがメールとして送られるという形式だ。いずれにしても、文書編集が可能なアプリケーションと組み合わせてメールのやりとりができるようになる。統合化されていないという意味では、使いづらそうに見えるかもしれない。もちろん、Outlook Expressのようなスレッド表示はできない。だが、むしろ普段使い慣れているエディタやワープロでメールを参照し作成すると言うことに快適さを見出せれば、Nisus Emailの提供するメール環境にフィットするということになるだろう。

Nusis Emailを使うためには、まずはアカウントの設定をしなければならないのは当然だ。POPサーバに対して接続し、SMTPサーバで送信をするのはもちろんだが、特に記述はないので、IMAP、APOP、認証SMTPには対応していないようだ。アカウントは複数設定することができる。
◇ユーザ設定のダイアログボックス
 

また、自動的に一定時間ごとのダウンロードなど、細かい設定は「環境設定」で行う。ここで、メールの参照に利用するアプリケーションを指定する。ワープロやエディタであればかまわないようだ。ただし、AppleWorks 6を指定してみたが、ちょっと使いづらくなった。AppleWorksではテキストファイルを開くと、閉じる時に必ずファイルを保存するかどうかをたずねるからだ。通常のテキストエディタではそうしたことない。
◇環境設定のダイアログボックス
 

実際にメールを受信すると、受信ボックスに保存される。ファイル名は、差出人や件名などのテキストが合成されて付けられるが、所詮31バイトに制限されたMac OSなので、テキストファイル名はファイルを区別するためのもの以上ではない。むしろ、受信したメールはウインドウにリストとして表示して、参照することになる。件名やあるいは日付け順など一般的なメール一覧として表示することもできる。ちょっと分かりづらいのが、この一覧のリストウインドウは1つしか表示されない。その1つのウインドウでの表示内容をメニューで切り替える。受信ボックスにあるメール一覧やあるいは、別のフォルダに振り分けたメールの一覧が表示される。図は一覧の表示と、QuoEditを参照エディタとして使ってメールを見たところだ。エディタで表示されるメッセージでは、最初に日付けや件名などの重要な情報がヘッダーと同じ形式で表示され、本文が記載され、さらに、冒頭に表示していない残りのヘッダー情報が表示される。
◇メールの一覧表示とQuoEditで参照したメールのメッセージ
 

メールの振り分けは、「フィルタ」という設定で行う。名前からすると検索条件のような雰囲気があるが、別にメール用フォルダを作ってそこもNisus Emailで管理する機能という感じだ。まず、Nisus Emailは、1つのメールを1つのテキストボックスで記録されるが、特に指定をしなければ、「受信メール」フォルダにため込まれる。一方、「フィルタ」機能を利用することで、新たにフォルダを作成し、一定の基準をみたすメールは別途作成したフォルダにため込まれるようになる。そのフォルダは任意の場所に作成できる。逆に言えば、ある程度計画的にフォルダを作るようにしないと混乱するだろう。しかしながら、ある特定のプロジェクト関連ファイルをフォルダにまとめるということもあるだろうが、そのフォルダの中に、そのプロジェクトに関わるメールのメッセージもテキストファイルでため込むということもできるのである。フィルタは、名前のように、一覧に適用して、条件に応じたメール一覧に絞り込むということもできる。
◇フィルタの設定
 

Windows版のOutlook Expressからメールを送ってみたが、特に文字化けなどは起こらなかった。ただし、ダウンロード中の表示では、件名や差出人名についてはエンコードされた状態のままである。日本語のファイル名を含むファイルを添付してみたが、これについても、受信側ではきちんと日本語のファイル名のファイルが得られている。添付ファイルは「受信添付書類」というフォルダが用意され、そこの中にさらにメールごとのフォルダに分類されて、保存される。
しかしながら、HMTLメールについては、単にテキストのメッセージしか得られなかった。HTMLのテキストで得られるのではなく、スタイル情報を落としたテキストだけのメールになり、その他の情報はなくなる。HTMLメールについてはほとんど期待ができないと言ってよいだろう。

(続く)
関連リンク「Nisus Email」日本語版は7月下旬に登場予定