タイトルNew YorkのExpoで発表されたハード製品、無難な線でのまとまりカテゴリーMacintosh本体
作成日2000/7/20 14:36:3作成者新居雅行
19日の夜、Macworld Expo/New Yorkの基調講演が始まったが、実は筆者のところではストリーミングの具合が非常に悪く、ほとんど聞き取れないで、さらに画像も抽象画のような状況で、残念ながら、今回はリアルタイムで見ることができなかった。また、各媒体が現地取材をして、詳細をすでにレポートしているだけに、MDOnlineからインプレッションを中心にレポートする。

今回の一連の新製品は、デスクトップラインの引きなおしと一言で言えるだろう。今までは、iMac、G4というのがおおまかなものだったが、iMac、G4 Cube、G4と大きく3つに分けた。iMacの販売が伸び悩んでいるというが、需要が一巡した感はやはりぬぐえない。また、鮮やかなカラーで目を引くとは言え、やや飽きられてきている状況だけに、セールスにつながるのはiMacではなく、より高性能な実質的なハイパワーを求めたユーザ想ということになる。そこで、今までのG4をCubeとマルチプロセッサに分けた。Cubeは省スペース、スピーカー内蔵ということからも、クライアントとして手軽に使える線を狙っているのだろう。一方、マルチプロセッサのG4はハイパワーで、ハイエンドのグラフィックスなどの制作環境やサーバ需要を狙うと見ることができる。
iMacについては、順当な線でのパワーアップだが、カラーにSnowの白が入ることや鮮やかさを押さえたあたり、目先の違いはとりあえずは見せている。いずれにしても、おもしろいデザインに飛びつく層には一通り売ったと見たのではないだろうか。今後もエントリー機は必要だが、DVによるビデオ編集など特徴はあるにしても、“無難な線”を狙ったマシンとなった。だが、低価格機の値段設定によっては、激安Windowsマシンと価格競争力も付く。模倣マシンを完全排除した今、やはりデザインを売り物にすることはできると言えるだろう。
一方、本格的に売りたいのは、G4 CubeとマルチプロセッサG4と考えられる。iMacの次が欲しい層にはG4 Cubeは最適だと言えるし、グラフィックス制作でハイパワーが必要ならマルチプロセッサということになるだろう。G4 Cubeの方はAppleのサイトでは、拡張カードの装着については何も述べられていないが、今どきはすでに必要な周辺機器は、FireWireやUSBでそろえることができるので、カードを追加するというニーズは非常に低い状況になったと言える。
ただ、マルチプロセッサの能力を最大限に引き出すソフトウエアとなると、まだまだ限られている。なんでも早くなるわけではないだけに、そうした情報が今後は購買予定層や利用者は欲しいと感じるだろう。ソフトメーカそしてアップルからも情報を積極的に出すことを期待したい。ただ、いずれのマシンもMac OS 9で稼働する。特にマルチプロセッサマシンは、Mac OS Xであることが期待されていたが、OSのリリースには合わなかったようだ。やや想像を含むが、Mac OS 9のシステム機能はほとんどがマルチプロセッサ対応ではないと思われる。たとえば、ネットワーク処理がマルチプロセッサでできるなどのメリットがあればいいのだが、そういう話はないようだ。Mac OS XのMachカーネル自体がマルチプロセッサに対応しているだけに、本格的なマルチプロセッサの恩恵を得られるのはMac OS Xになってからのような気がする。

マウス、キーボード、ディスプレイも一新された。昔は周辺機器のデザインをむしろ固持すると言うこだわりがあったことに比べれば、柔軟になったものだと考える。円形マウスはiMac登場時には一押しだったが、今回はあっさりと不評をあきらめた。光学マウスによる可動部の排除や、マウスボタンがないことで、メンテナンスは不要になり、おそらくより長もちするだろう。また、昔の光学マウスのような特別なパッドはいらないそうなので、その点も期待はできる。キーボードではファンクションキーがフルに揃った。サウンド調整なども別キーになるなど、ファンクションキーがやっと本格的に使える状態になったと言えるだろう。ただ、昔の流れでMac OSはファンクションキーを否定してきた時代が長いだけに、ファンクションキーをWindows並みに使うようになるかどうかは疑問だと言える。いずれにしても、現在のデベロッパーはファンクションキーを有効に使うということにも目を向けてもいいのではないだろうか。ディスプレイに関しても、iMac本体と同様“無難な線のデザイン”でまとまったっというところだろうか。

今後を占うという意味では、G4にギガビットEthernet、1000BASE-Tを搭載したことには注目したい。思えば、100BASE-Tの搭載もMacintoshは早かったし、無線LANも同様だ。ただ、テクニカルスペックに、1000BASE-Tの端子が何を使ったものなのかといった情報がない。TILあたりで詳しい情報が出て来るのを待つとしよう。
日本のAppleStoreも、新しい製品に変わっているのだが、値段などはComing Soonとなっている。もはや旧製品は購入できない状態となっている。
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