タイトルGoLiveがバージョンアップ、データベース開発やプログラミングに高い配慮カテゴリーデータベース, オーサリング系, 開発ツールその他
作成日2000/8/23 10:9:29作成者新居雅行
アドビシステムズは、Webサイト構築ツールのGoLiveの次期バージョン「Adobe GoLive 5.0日本語版」を2000年10月より発売すると発表した。通常価格は39,800円だが、20,000本限定で18,000円で販売する。GoLive 4.0やCyberStudioユーザに対しては9,800円でアップグレードするほか、Adobe PageMill日本語版正規ユーザに対しては9,800円で特別提供も行う。話はそれるが、PageMillの次期バージョンあるいは同等のエントリー向けWebページ作成ソフトは、今後しばらくはアドビシステムズからリリースされないことはほぼ確実になったと言って良いだろう。GoLive 5.0の動作環境は、Mac OSが8.6以降、WindowsはWindows 98、NT(SP4)、Windows 2000となっている。
GoLive 5.0の新機能の1つが「360Code」と呼ばれるもの。HTMLの中にスクリプトなどのプログラムコードを記述した場合、これまではGoLiveがスクリプト部分も勝手に整形してしまうということがあった。そうした動作を行わないようにし、デザイナとプログラマの間でスムーズにHTMLのやりとりができるという点を目指したもので、両者の間を行き来できるという意味の「360度」―つまりぐるりと1周できるようなニュアンス―が機能名の由来だ。製品にJedit3ないしは秀丸エディタが同梱される点からも、エディタでの編集とGoLiveでの編集をラウンドトリップできるよにした点で、単なるHTMLページだけでなく、さまざまな機能を駆使した大規模なページや複雑な処理を行うサイトの管理に対応している。
Active Server Pagesに対応し、ASPを使用したデータベースアクセスのページ作成もできる。GoLiveからデータベースにアクセスしてスキーマ情報を取り出し、ページ作成画面でオブジェクトとデータベースの列の対応を定義するなどして、拡張子が.aspのファイルを作成する。それを、GoLiveでプレビューすることで実際にデータベースアクセスが行われる。データベースの状態にもよるとは思われるが、サーバにアップロードしなくても、.aspファイルのプレビューができるのである。現在はASPだけだが、将来的にはJava Server Pages、PHP、ColdFusionなどの他のサーバサイドスクリプトおよびデータベースアクセス環境に対応する予定だ。
デザイナサイドから見た機能としては、PhotoshopやIllustratorとの連係が挙げられる。PhotoshopのレイヤをGoLiveがそのまま認識でき、Photoshopファイルのドラッグ&ドロップにも対応している。単に画像を読み込むだけでなく、レイヤーごとに設定を変えたり、GoLive上で画像の一部分を切り出すようなことができる。また、画像はライブリンクされており、オリジナルのPhotoshop画像を変更すると、GoLive側にも反映される仕組みとなっている。デザイナとのワークフローが従来よりもより組み立てやすくなったと言えるだろう。
また、サイト管理機能では、フローチャート形式のサイト設計を行い、そこからページ間の相互リンクを含むページを自動的に生成するなど、サイト設計機能もかなり強化されている。iモード対応ページ作成にも対応している。ストリーミングコンテンツのページへの配置にも対応している。ユーザインタフェースもアドビの他の製品と近いものに変更されており、パレットの種類も増えている。
WebDAVへの対応や、SDKをベースにJavaScriptで作ったモジュールで、GoLiveの機能を増やすこともできる。Webサイト構築はある程度規模が大きくなれば分業が当たり前になってりうが、そうした動向を取り込んで、ワークフローの中核になるような機能アップが目立つ。従来のWebツールはデザインツールであったが、新バージョンのGoLiveはプログラマのためのツールとしての位置付けも明確になってきている。機会があれば、開発寄りの機能も紹介しよう。
関連リンクAdobe GoLive 5: Special Page