タイトル画像処理やグラフ作成など多彩な機能をプログラムで利用できる“行列電卓”カテゴリーユーティリティ
作成日2000/9/13 9:19:19作成者新居雅行
「mc(matrix calculator)」というアプリケーションが話題になっている。秋田県立脳血管研究センターの西村弘美氏が作成したフリーウエアで、本来は臨床データから画像生成しレポートを作成するような用途で作られたものだ。しかしながら、プログラミング環境として見た場合、データ処理やグラフあるいは画像生成機能が充実したソフトウエアとして見ることができる。行列の計算はもちろん、それをもとに2Dあるいは3Dの画像までも生成できるのである。エディタ画面にプログラムを記述し、プログラムを選択してEXECボタンで実行すると、実行して作成された画像がインラインで割り込まれるという雰囲気だ。プログラムは変数の利用やくり返し、条件分岐など基本的な構文がそろっているが、さまざまな処理を行う大量の関数群があることがなんと言っても大きな特徴だろう。グラフ作成や、あるいはある月のカレンダーを1コマンドで作ってしまうなど、実用性の高いものが中心となっている。作図やシリアル通信、ファイル処理、QuickTime関連などの機能を関数で利用できる。こうしたプログラムをエディタで作成し、その結果もエディタで参照できる。エディタ自体は文書作成までも考慮されたものだが、CDで入手できる電子辞書の参照や、さらにはWebサイトへの接続ボタンなども利用できるなど、作者が必要としていると思われる機能がふんだんに詰め込まれているという感じだ。すでに開発が始まって何年も経過しているソフトである。作者の意図とはずれるかもしれないが、mcは超高性能な関数電卓のようなテイストがあると感じた。必要な機能がコンパクトに凝縮されたアプリケーションだ。
関連リンクmc(matrix calculator) ver 2.3.1