Mac OS XをFTPサーバにするには簡単に設定できる。やはり、System PreferencesのSharingで、「Turn on FTP access」のチェックボックスを入れればよい。もちろん、必要ならロックの解除も管理権限のあるアカウントとパスワードで行う。こうすれば、Mac OS 9のネットワーク・ブラウザやNetFinderといったFTPクライアントソフトで接続でき、ファイルのやりとりができる。なお、anonymous(匿名)のアクセスはできない状態になっている。インストール時のアシスタントで設定したアカウントとパスワードを使うか、あるいはMultiple Usersで設定したアカウントとパスワードを使ってログインを行う。接続すると、最初は自分自身のホームフォルダ、つまり、/Users/アカウント名がカレントディレクトリとなっているが、それより下位のフォルダに移動できるのは当然だが、一般的なUNIXサーバと同様に、上位の階層にもアクセス権があれば移動できる。 ただし、問題は日本語のファイル名だ。ボリューム自体にはファイル名はUTF-8で保存される。だからアルファベットはUNICODEなのかASCIIコードなのかは区別されないが、日本語では異なるコードになる。Mac OS Xのボリュームを参照すると、UTF-8のコードがそのまま見えているので、文字コードをShift-JISとしか解釈しないFTPクライアントではもちろん文字化けになる。そのファイルをダウンロードした結果もファイル名は文字化けになってしまう。一方、Mac OS 9からファイルをアップロードする場合、日本語のファイル名のものはエラーとなってしまう。仮にうまく行ったとしても、FTPではきちんと見えるのに、Mac OS X側では異なる文字に見えてしまうだろう。いずれにしても、日本語のファイルのやりとりはFTPを使わないのが原則だろう。そういう場合にはAppleShareファイルサーバ機能を使えばいいのである。 なお、ファイルをMac OS側からアップロードした場合のアクセス権について、簡単に触れておこう(アクセス権の説明はここでは割愛する)。ファイルをアップロードするときには、そのディレクトリに書き込みの権限があるのはまず大前提だ。そして、アップロードしたときには、ファイルの所有権はアカウントになり、グループは、そのディレクトリに設定されているグループとなる。ファイルのアクセス権は一般には666となるのだが、Mac OS Xでも同様なようだ。そして、umaskという値の補数をAND演算されて実際にファイルに設定されるのだが、そのumaskは022となっているのが一般的である。つまり、umaskのビットが1になっている部分が消し込まれるので、666が644になると言う具合だ。FTPでの操作を見る限りはこうした設定になっている模様だ。