2000年10月21日、待望のMac OS X Public Betaの日本語版がついに発売開始された。数日前に新宿タカシマヤでの販売がこの日と次の22日に予定されていることがアナウンスされたが、どの程度の列ができるかということでの利用者の関心を計ることができると言えるだろう。販売開始は10時からだが、数人の徹夜組に加え、8時半の時点では、すでに60〜70人程度の列が伸びていた。
◇正面入り口から店鋪に沿って整然と並ぶ人たち
1人1セットの購入のみということや、パブリックベータである旨を書いたプラカードを持った人や、警備員がじわじわと伸びる列を整理している。そして、開店時間に向けて列は順調に増えていく。2列に整列を行い、チェーンで仕切りを行うも、発売開始ごろには、店鋪の端まで伸びた列が戻ってきて、最前列のとなりに最後尾がやってきた。この時点で、おそらく、1000人程度は並んでいたと思われる。その後、さばくのが手間取っていることもあって、列はどんどんと増えていった。
◇開店直後も列の長さは伸び続けた
10時の販売開始時には、原田社長自らがショップの最前列に立ち、列に並んだ最初の10人の人にMac OS XのTシャツを手渡して、プレゼントしていた。1階の正面玄関を入ったすぐのところに特設のショップが設けられ、15台ほどのiMacが並び、それに入力をしての購入となった。いきなり電源が落ちるなどのトラブルはあったものの、いくぶん流れ出したが、おそらく最初の30分で何十人というレベルでしかさばくことができなかったもようだ。その後、記入用紙を使った販売方法に切り替えられた。
◇ショップの最前列に立つ原田社長
◇設置されたiMacに購入申込をする
実は筆者も取材の後に列に並んで買うつもりだったが、軽く1000人を超えそうな列に並んでいると、今日の原稿が書けないので、あっさり新宿を後にした。
9月の英語版の発売では、米国では直接販売されることがなかった。米国ユーザは口惜しい思いをしたことだろう。しかしながら、日本語版は、日本で直接購入できる措置を取った点は大いに評価したい。もちろん、東京だけという地方の人にとってのデメリットはあったものの、とにかくその気になれば発売日に手に入ったのだ。10月という約束が守られたと同時に、ユーザにとっての大きなプレゼントとなったと言えるだろう。もっとも、10時ごろに列に加わった人がどれくらいの時間に購入できたかは執筆時点では定かではないが、思った以上に待たされた人も多かったのではないだろうか。また、列を見てあっさりあきらめた人がいることいただろう。
また、これほどの列ができるという点に、Mac OS Xへの大きな期待が見える点は疑いのないことだ。期待というより、次が示されたのだから、Xに行くしかないという意欲かもしれない。Mac OS Xについては覚めた見方をされることが比較的多かったような気がする。それは、むしろ過剰に騒がなかっただけだということも言える。「購入できる」ということで、これだけたくさんの人がやってきて列を作るのである。パブリックベータということで、まだ開発は続くわけであるが、意欲的なユーザにささえられて、順調に成長することは間違いないと言う確信も得られたと言えるだろう。
さて、筆者はAppleStoreでMac OS X Public Betaを申し込んだ。製品紹介のページが英語が残っているのでちょっと心配だが、\3,500と出るので日本語版と信じて注文をした。21日13:30時点で、3日後の郵送となっていた。 |