http://mac.nikkeibp.co.jp/mac/index.shtml NIKKEIMAC.COM Macintosh専門雑誌の1つ、「日経MAC」が休刊する。発行部数は5万3000部で、直接販売以外に書店での販売も行っていた。ビジネスユーザ向けの誌面作りや、「いんさいどまっきんとっしゅ」のコーナをはじめとして技術的に深い内容の記事もあり、他誌にない切り口も多く、ハイエンドユーザを中心に根強い人気を持っていた。ビジネスソフトの利用方法に加えて、医療関係やデザイン分野が中心にはなったものの、業務でMacintoshを利用しているユーザの情報やあるいはそこから得られたノウハウを継続的に記事にしていた点は、Macintoshをビジネスとしている人たちの貴重な情報源ともなっていた。また、アップルに対しても直言する点でも読者の支持を得ていた。最近は、編集長の交代が頻繁に起こるなどの動きが見られたが、11月18日発売の2000年12月号を持って休刊となった。(ちなみに、休刊となって復刊した雑誌は過去にはほとんどない。)Mac OS Xのリリースに伴い、Macintosh市場がよりハイエンドなユーザ層に広まることや、技術的な情報を必要とするユーザが増えることを考えれば、純粋に読者的な立場からは残念な決定であると言える。なお、日経MACのWebサイトには休刊に関することは記載されていないが、広告案内のページには記載がある。また、購読者に対して休刊のお知らせが届くと共に、返金に関する案内が送付された模様だ。 97年頃のMacintosh業界の冷え込みで、米国ではMACWORLD誌とMacUser誌がまとまるなど大きな再編があったものの、日本では市場規模に比べて数多くの雑誌がひしめくという状況は変わらなかった。雑誌を購入するような層は崩れなかったという点が言えるだろう。ただし、その時期以降、また景気の冷え込みなどもあって、広告が順調にのびないという事情はあったものと思われる。休刊への決定へのいきさつについての詳細は分からないが、Macintoshの冷え込みよりもむしろインターネットの普及という点が大きいのではないかと考えられる。特に、ハイエンド層あるいはコア層のユーザとなると、基本的な情報はインターネット経由で仕入れることは今や常識となっている。Macintoshの開発者向け雑誌が99年を境目に2誌とも休刊となり、米国で発売されているMacTechも破格の高価格で維持している点からもそうした傾向は推測できる。また、日経MACは、日経BP社の他の雑誌に比べて異質な面もあり、同系統の雑誌を他にかかえていなかったといった事情もあるものと考えられる。その他のMac雑誌あるいは、Mac関連メディアにとっては、ライバルが減ったといった意味でプラスになるとは考えない方がよいだろう。購読者層の変化を休刊といった事実から読み取り、先手を打つことが必要だと考えられる。 |