開発環境のREALbasicの次期バージョン3.0のアルファ版のリリース11が公開されていいる。Carbon対応によるMac OS X向けのネイティブアプリケーション開発、あるいはMac OS Xでのネイティブな開発環境の利用がVer.3.0での大きな変更点である。そして、リリース11で、UNIXのシェルに対してコマンドを発行し、実行結果を得ると言うことが可能になった。具体的にはShellクラスが定義され、シェルに与える1行文のコマンドをExecuteメソッドで実行し、結果コードや標準出力に得られた結果を取得することができると言ったものだ。つまり、UNIX向けに用意されたコマンドが、REALbasicから簡単に実行できるのである。オープンソースで作成された各種のUNIX向けソフトウエアは、比較的容易にMac OS Xでも実行できるようになることが言われているが、そのままだと、Terminalからコマンドを手打ちしないと実行などができなかった。しかしながら、そうしたソフトウエアのユーザインタフェースをREALbasicを使って作成できるようになるということだ。UNIX向けソフトウエアをMac OS Xで積極的に利用する1つの道筋としてREALbasicが浮上してきたと言えるだろう。 なお、UNIXのシェルコマンドは、MS-DOSのコマンドプロンプトと似てはいるが、機能的にはもっと高いものと考えた方がいい。むしろ、コマンドというよりも、マクロ的な側面を持っており、複雑な処理を1行で書き切るといった高度なことが可能である。また、かなり長いテキストを引数に渡すことができるなど、スケーラビリティも高いし、複数のコマンドを経るパイプ処理も可能である。また、OSの奥深くで処理されることでもあり、高速な処理も期待できる。Mac OS XのBSDという1つの大きなメリットを強く生かすことができる機能として、REALbasicのShellクラスには大きく期待ができるだろう。 |