MRJ Plugin Ver.1.0b1がリリースされた。それ以前のリリースが99年8月の1.0d9なので久々のリリースで、やっとベータ版になったと言ったところだろうか。クリッピングの改善や、CODEBASEの参照に加えて、Netscape 4.76においては、APPLETタグにおいてもMRJ Pluginを使うようになった。WebブラウザのNetscapeは独自のJava VMを搭載していたが、JDK 1.1の時代にJava VMの進化に追随できなくなってきていた。特にMac版のNetscapeのJava VMはJDK 1.1の新しいイベントモデルに対応しないなど、事実上使えないレベルでのJDK 1.1対応であった。また、Windows版においても制約があり一方でマイクロソフトとの係争もからんで、JRE(Java Runtime Environment)によってOSに組み込まれたJava VMをWebブラウザから使うために、Javaアプレットもプラグインを利用して稼動するという方針が立てられた。Windows版のJava稼動プラグインは、Sum Microsystemsからリリースされている。Mac版については、プラグインとしてWebブラウザからMRJを利用してAppletが稼動するものをNetscape社とAppleが共同で開発を行い、MRJ Pluginとしてリリースされてきたが、明白に開発は止まっていた。なお、その間にMac版のInternet Explorerは、MRJを唯一のJava VMとして稼動するような機能が組み込まれることになる。プラグインを使う都合上、EMBEDタグに置き換える必要があるが、MRJ Pluginは今回のリリースアップでAPPLETタグにも対応し、過去との互換性を備えた。しかしながら、JavaアプレットというもののWebサイトでの存在感は年々低くなっている。MRJを使うプラグインを必要とされ、開発され始めた時代から比べて、明白にアプレットの存在感は低下している。それに連動してMRJ Pluginの開発アクティビティも下がったのだと思われる。Netscape 6もリリースはされていて、やはりMac版でアプレットを使う場合にはMRJ Pluginを使うことになっている。しかしながら、アプレットはもはやブラウザ環境を限定できるイントラネットでの利用だとか、Javaという意味では次世代の携帯電話での利用に開発者の目が向いている。MRJ Pluginはバージョンがd(開発版)からb(ベータ版)になったことで安定したこともあるのかもしれないが、あまりに登場が遅すぎたと言えるであろう。 |