Mac OS X Public Betaのネットワーク関連のセットアップを何度かに分けて説明することにしよう。ネットワークと言えば、大昔はLocalTalk(ふるー)、あるいはAppleTalkだけだったが、筆者の回りでは4年ほど前からTCP/IP(インターネットで使われるネットワーク)が入ってきた。その当時のMacTCPがシステムに入っている時代は設定自体が複雑であったし、設定できない項目もあった。そして、ダイアルアップのためにFreePPPやらなんやらといろいろと設定を地道にしないといけないため、インターネットの敷き居は高いぞと思ったものだった。(それはWindowsも同様だった。)そのうち、OpenTransportになり、設定はかなり整理され、Ehternet接続だと、TCP/IPコントロールパネルだけですべてOKとなったわけだ。ダイアルアップする人は、あとは「リモートアクセス」「モデム」のコントロールパネルを使い、モバイル派は「作業環境マネージャ」でさくさくと切り替えるという世界になってきた。それに加えて「インターネット接続アシスタント」と使えば、コントロールパネルを使うまでもない。まあ、少々はコツが残る世界ではあったが、Mac OSのネットワーク設定は大分こなれてきたし、使う側もそれなりにノウハウを積んできたということでもある。もちろん、今でもFreePPPの独特の使い勝手の良さから離れられない人も、その設定をやりなおすことを考えるとぞっとするので使い続けている人もいるかもしれない。 そして、Mac OS X Public Beta(以下、Mac OS X)が登場してきた。Mac OSのOpenTransport以前は、TCP/IPはまさに付け足しと言ってもいいくらいの位置付けであったが、OpenTransportではそれなりに標準プロトコルの位置付けに近いものになっただろう。それでも、AppleTalkがまずあって、そしてTCP/IPというテイストであった。Mac OS Xでは、むしろ、TCP/IPが主役であり、AppleTalkはとうとうデフォルトではオフになっている。TCP/IPですべてやってのけるということにもつながるわけだ。これは、Windowsの世界でも同じような傾向になっている。従って、Mac OS Xでは、ネットワークを使うとういことは、つまりはTCP/IPの設定をしなければならないということになる。 TCP/IPの接続形態は柔軟に設計できるとはいうものの、こと、クライアントに限って言えば、LAN(Local Area Network)での接続、つまり、100BASE-TなどのEthernetを経由し、ハブをつないで、その先でなんらかの形でネットワークに繋がっているか、あるいはMacの本体などに接続したモデムを使ってダイアルアップでインターネットに接続するかのいずれかである。ISDN接続のルータを使うのは、ルータ自体は電話をかけているが、ルータからはEthernetでつなぐことが一般的なので分類上は前者の通りとなる。 Mac OS Xをインストールすると、最初に設定アシスタントが起動する。その中でネットワークがどの接続形態なのかをまず問い合わされる。モデム接続、ネットワーク接続以外に、ケーブルモデム(ケーブルテレビのインターネットサービス)、DSL接続といった選択肢があるが、一般にはモデムかネットワークを選択することになるだろう。 今回は「ネットワーク」を選択した場合を追ってみることにするが、接続アシスタントではその後に、ネットワークに必要な設定を入力することになる。 また、同じ設定は、「システム環境設定」(System Preferences)でも行える。「システム環境設定」で「ネットワーク」のアイコンを選択し、そこにある「TCP/IP」のタブで設定ができる。インストール時のアシスタントでの設定と、「システム環境設定」での設定は基本的に同じものだ。「ネットワーク」の設定を変更する時には、ウインドウ左下のロックのアイコンをクリックし、管理権限のあるアカウントとパスワードを入力しなければならないが、これはインストール後にアシスタントで設定したアカウントとパスワードで良い。(IPアドレスやルータなどの意味については今回は割愛する)