タイトル【MTM2000-11 Nov】Mac OS Xのさまざまなプログラムを作成できる開発ツール群カテゴリー開発情報, MOSA Softwre Meeting 2000
作成日2000/11/13 13:38:37作成者新居雅行
アップルの金子氏から「Mac OS X開発ツール」として、アップルが開発している開発ツールに関するセッションがあった。ツールはシーディングの権利のある人にCD-ROMとして配付するとともに、FTPサイトからも入手できる。ただし、それらは若干バージョンが異なり、FTPサーバにあるものはパリ版となっており、バージョンが違って少し古い。パリ版は英語モードで使う必要がある。また、インストール時には日本語ユーザモードでロックを解除する場合、1度失敗してもそのまま続けて行えばよい。また、デバッグの情報も異なっている。
ProjectBuilderが統合開発ツールである。実際にソフトウエアを動かしてのデモンストレーションが行われた。画面の操作やボタンなどが説明された。検索をそのまま実行すると、そのファイルだけを検索するので、複数ファイルを検索するにはインデックス作成をしておく必要がある。デバッグの様子も見せ、gdbのコマンド入力ができる点も示した。現状では、Mach-Oしか作成できず、CFMベースのものは作成できない。nibベースのCarbonアプリケーションの作成のデモが行われた。Interface Builderを使ってのウインドウなどを定義したもので、フレームワークとしてCarbonを使うようなものである。リソースについてはCarbonでも利用できる。自動的に[AppName].rsrc、Localized.rsrcはロードされる。
Cocoaのアプリケーション作成もデモされた。ウインドウをInterface Builderで開き、テキストフィールドとボタンを配置する。そして、処理を行うクラスをInterface Builderで作成する。クラスを定義して、OutletsとActionを追加する。そしてソースファイルを作成することで、それがProject Builderに登録される。Interface Builderでクラスのインスタンスを作成する。ボタンが押されたら定義したクラスのメソッドを呼び出し、Outletsとフィールドをcontrolキーを押しながらドラッグして結び付ける。そして、Interface Builderでテストができる。さらに、Project Builderでボタンが押されたときの処理をObjective-Cで記述して見せた。
なお、日本語環境ではシングルクオートの問題がある。日本語を含むファイルはUNICODEではなく、UTF-8で保存するようにする。
パッケージにからめてローカライズが簡単にできることがも説明された。FinderでアプリケーションのコンテキストメニューでShow Package Contentsを選択すると、パッケージの中身が参照できる。そこにResourcesフォルダがあり、English.lproj、Japanese.lprojがあり、それぞれ言語に応じたリソースが納められている。実行時には現在の言語設定に応じた定義が利用されるという仕組みだ。Project Builderから言語を追加できる。ソースに言語をともなう文字列がある場合、NSLocalizedStringなどを使う必要がある。そして、genstringsというツールでLocalizable.stringsというファイルが作成され、そこで文字列を記述する。
Project BuilderはCVSに対応していて、ローカルファイルでも、クライアントサーバでも利用できる。パフォーマンスツールとしては、メモリーリークを検知したりメモリ利用量を見るDebugMalloc、処理に時間がかかる部分を見つけだすSamplerなどがある。JavaやC、リソース関連のツールについてもどのようなものがあるのかが説明がなされた。
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