タイトルMac OS X Public BetaでStuffIt Deluxを動かす方法カテゴリーアプリケーション, Mac OS X
作成日2000/12/10 17:45:49作成者新居雅行
2000年10月にAladdin SystemsからリリースされたStufIt Delux 6.0は、待望のMac OS X対応バージョンだ。逆に言えば、前バージョンの5.5からの変化はこの点以外にはほとんどなく、目立ったところでは、.lhaファイルの作成くらいだ。また、アプリケーションの作り直しやPowerPC対応といった新しい点は、まさにMac OS X対応のCarbonアプリケーションとしてまともに機能するために派生的に生じた特徴だと言えなくもない。Mac OS X絡みのStuffIt事情をまとめておこう。(この原稿では、expandを「解凍」と表現する。)

StuffItについては今さら説明の必要がないだろう。さまざまなファイルフォーマットに対応した圧縮、アーカーイブソフトで、Mac OSだけではなくWindows版もある。StuffIt Expanderは解凍専門のフリーソフトで、Mac OSに付属する。DropStuffは圧縮専門ソフトのシェアウエアだ。これもMac OSには付属するもののシェアウエア料金をが必要になる。さらに、StuffIt Deluxというアプリケーションがある。圧縮ファイルを編集できる点が大きく違うところで、中にあるファイルを個別に取り除いたり、ファイルの追加などができる。さらに、Finderでの機能統合の機能拡張があり、たとえば、FinderでCommand+Sで選択したファイルを圧縮する機能が使えるなど、Delux版は操作環境を高めるという点でも注目すべき機能はいくつもある。また、StuffIt Engineというコンポーネントも見逃せない。システム機能拡張であり、DropStuffやStuffIt Deluxに付属する。PowerPC向けの変換機能が組み込まれていて、処理を高速化するというのが以前の機能だったが、今では実際の変換機能をこちらに集約しているように思われる。これがないと、StuffIt Deluxが起動しないのである。なお、日本語版はアクト・ツーが販売している。

Mac OS X対応のStuffIt Deluxは、CFMベースのCarbonアプリケーションだ。Classic環境で動くというわけではない。だが、同一のアプリケーションファイルが、Mac OSでも、Mac OS Xでも起動するということになる。ただし、Finderとの統合機能などはないため、Mac OSでのアプリケーションとして動いている機能しか、Mac OS Xでは使えない。それでも、慣れた圧縮ツールがMac OS Xでも使えるというのは大きいことだ。インストーラがClassicアプリケーションであるため、インストール時にはClassic環境でインストールを行なう。ここで、/Applicationsフォルダを選んでインストールしておくのが一般的だろう。
さっそくStuffIt Deluxアプリケーションを使おうとしたが、インストールするだけでは即座には使えなかった。ドキュメントを読むと、StuffIt Engineのあるフォルダ名に問題があるという。/Library/ApplicationSupportというフォルダにStuffIt Engineが入れられるのであるが、単語の間に空白のある「Application Support」フォルダという名前でないと機能しない。ドキュメントに記載された理由があいまいだが、明確なことはフォルダ名の変更を行なう必要がある。ドキュメントにはApplicationSupportは削除しろとしているが、若干不安なので、コピーを作るのがいいと思われる。しかしながら、/Libraryはrootというアカウントにしか書き込み権限がないため、Finderだけの作業ではどうしようもない。結果的にどうすればいいかという手順を示すと次の通りだ。インストーラで登録したアカウントでログインしているとしよう。Terminalでのコマンドを入力後はreturnを押す。

1. Terminalを起動する(/Applications/Utilitiesにある)
2. 「su」とコマンド入力し、パスワードをたずねられたらログインしたときのパスワードをそのまま入れる
3. 「cd /Library」とコマンド入力し、カレントディレクトリを移動する
4. 「mkdir "Application Support"」とコマンド入力し、ディレクトリを作る
5. 「chmod 775 "Application Support"」とコマンド入力し、ディレクトリのアクセス権を変更する
6. Finderで、ApplicationSuportフォルダにあるStufIt Engineを、Application Supportフォルダにコピーする。optionキーを押しながらドラッグすればコピーになるのはMac OSと同じだ

こうすれば、StuffIt DeluxはMac OS X Public Betaでも動くようになった。コマンドの入力ではスペースを含むフォルダ名を指定するのにダブルクォーテーションを使うのがポイントだ。こうすれば問題はないようで、とりあえずは機能している。

ところで、Mac OS X Public Betaには、/Applications/Utilities/AladdinというフォルダにStuffIt ExpanderのMac OS X対応版が入っているが、これはVer.6.0a5というバージョンだ。これに対して、Ver.6.0がAladdin Systemsのサイトですでに配付が開始されている。「a5」というのは6.0になるまでのベータ版相当の番号付けだと思われる。Ver.6.0a5ではMarh-O形式でパッケージ形式のアプリケーションを解凍した場合に、そのアプリケーションが起動できないという不具合がある。実行ファイルのアクセス権が適切に設定されないのだ。Ver.6.0では直っているので、Mac OS X Public Betaに付属するVer.6.0a5は使わないようにするのが賢明だろう。

◇StuffIt Delux
 http://www.aladdinsys.com/deluxe/index.html
◇アクト・ツー(株)
 http://www.act2.co.jp/
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