タイトル【森下克徳の崖っぷちからWebObjects】第8回〜アップルセミナーが自宅に来たあと…カテゴリー 崖っぷちからWebObjects
作成日2000/12/27 23:39:3作成者森下克徳
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「当社の年内の営業は、本日で終了いたします。」

朝、メールチェックしてみると、某出版社さんの某編集氏からメールが入っていた。ああ、もうそんな時期なんだなあ〜、と今さらながら気がついて、さっそく今年最後の原稿を書くことにした。

さて前回まで、「WebObjectsデモCD October 2000」について見てきたが、コラムの見出しを、「アップルセミナーが自宅に」としてきた。実は、このCD-ROMの内容と構成は、ほぼアップルのWebObjects紹介無料セミナーと同等と言っても差し支えないだろうという内容なのである。だから、このCD-ROM「WebObjectsデモCD October 2000」をパソコンにセットしさえすれば、アップルのセミナーが自宅にやってきたようなものなのだ。しかも事例紹介の量など、セミナーよりも充実しているぐらいだし、自分の好きなだけ同じところをしつこいくらいくり返して見ることもできる。だいたいからして、セミナー会場でしつこいくらい同じところを質問しまくったら、間違いなく西高東低の冬型の気圧配置になって木枯し一番が吹き荒れ、日本海側では大雪に注意しなくてはなくなるだろう。でも、自宅のMac上では、何度再生させても、ずっと嫌な顔ひとつせずにくり返しにこやかに説明してくれるのだ。(そりゃそうだ。)

で、今回はこのデモCDを体験したあとにどうするのかと言う話だ。

私の場合は今から1年弱前に、CDではなくて、無料セミナーそのものを大阪で受けた。その結果、ある意味人生(というか将来の生活の糧の一部)をWebObjectsにかけて見ようと思うほどに、なんと言うか洗脳されてしまったのである(^。^;)

先立つものなどその他諸々の準備が必要だったが、しばらくしてからMac OS X ServerとバンドルされてきたWebObjectsに対面することとなった。そして、今までのMacのソフトのように簡単になんとかやっていけると言うものではないことに気がついた。

で、そこから先、もろもろの苦労をすることになったのだが、その時に私を支えてくれたいくつかの書籍があるので、今回はこれを紹介しよう。

まず、一番に上げておこうと思うのは、「WebObjects実践ガイドブック」である。アップルの監修の下、倉橋浩一氏が著わされた日本のWebObjects界随一の書籍である。今まで、いろいろなアプリケーションの解説本を読んだが、この本ほど分かりやすいと思ったことはない。それほどに構成自体がしっかりしており、ぜひあなたの蔵書に加えてほしい一冊である。(ソフトバンクパブリッシング刊・ISBN4-7973-1156-8)
ちなみに、Web上で正誤表が公開されている。これは必ず確認されたい。
◇WebObjects 実践ガイドブック正誤表
 http://www.techpit.co.jp/WO/wo-jissen-guide-fix.html

次に、Mac OS X Serverそのものについて、「Mac OS X Serverシステム管理ガイド」をお勧めしたい。伊藤宣博氏・兵藤公一氏・辻大輔氏・竹尾哲也氏の共著である。Mac OS X Serverの基本的な仕組みを理解する助けとなってくれるだろう。(アスキー
刊・ISBN4-7561-3460-2)こちらにも補遺がある。
◇Mac OS X Serverシステム管理ガイド補遺
 http://www.rh.to/osxsbook/

WebObjectsは、データベースと一体となってはじめて本領を発揮する。CDではOracleが使われていたと書いたが、先に上げた「WebObjects実践ガイドブック」では、バンドルされているOpenBaseLiteが使用されている。

オープンソースのデータベースエンジンとしては、日本ではPostgreSQLがけっこう使われているが、私はそれよりシンプルで処理速度が早いMySQLを使っている。このMySQLについては、オライリージャパン刊の「MySQL&mSQL」(ISBN4-87311-011-4)で勉強してきたが、ちょうど今いい本が日本のMySQLユーザー会から出たので紹介しておこう。「MySQL徹底入門」(翔泳社刊・ISBN4881359770)

というわけで、興味を持ってWebObjectsを購入したら修行の日々が始まるわけだが、これらの教本が必ずやあなたをすばらしいWebObjectsライフに導いてくれるであろう。

あっ、そうそう。勉強する上でもっとも役立ったのは、実はMacのSherlockである。特にUnix系の設定などについては、(玉石混交だけど)ネット上の情報の方がかゆいところに手が届いてくれるところが多々ある。なので、Sherlockが本当に頼もしい水先案内人になってくれたのである。

さて、いよいよ新しい世紀がやってくる。ちょうど一年前、世間では2000年問題で世の終りかと言うぐらい騒がれていたが、そのときある国際会議でダライ・ラマ師が「2000年になっても、同じように太陽が昇って同じように一日がやってくる。なにも心配することはない。」と発言されたと言う。きっと、21世紀になっても同じように太陽が昇って同じように一日がやってくるだろうが、その太陽の下の世界が、より明るく、温かく、慈しみ深く、思いやりを持った世の中であればいいなと思う。そういう世の中でこそ、WebObjectsも活用のしがいがあると言うものだ。

みなさん、よい世紀を・・・!
[森下克徳]
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