タイトルMac OS 9.1のファーストインプレッション、Finderが改良されたカテゴリーMac OS 9
作成日2001/1/12 16:41:24作成者新居雅行
日本のAppleのページからも、Mac OS 9.1がダウンロードできるようになっている。12日の正午あたりの状況では、ソフトウエア・アップデートではアップデートできないようだ。15個に分割されたファイルを、Webサイトから地道にダウンロードするしか、現状では手はない模様である。なぜか分割ファイルでしか入手できない。また、初期のPowerPC搭載機はアップデータが利用できないともページに記載されている。インストールCD-ROMもあるので、場合によってはそちらの入手も考えよう。
さて、アップデート作業は簡単だ。特筆すべき点はない。Mac OSのインストーラに慣れていれば迷うことはないだろう。Mac OS X Public BetaのClassic環境で稼動しないことは、アラートボックスでどーんと出てくるので、嫌が応でも気がつくようになっている。
インストールしたら再起動でMac OS 9.1が起動する。取り立てて違いはない。なお、Mac OS 9.0.xでは、再起動時に一時フォルダ(アプリケーションが一時的にファイルを保存する場合などに使うフォルダで、通常は見えない)の削除を行なわず、なぜかディスク使用量が増えているという現象があったために、それを削除するためのAppleScriptプログラムをAppleは公開していた。しかしながら、この問題については、Mac OS 9.1では解消されているので、そのAppleScriptプログラムを「起動項目」フォルダに入れておく必要はない。

◆Finderに「ウィンドウ」メニュー
起動ボリュームをまず見てみよう。フォルダが消えている!と思ったら、「インターネット」「Apple エクストラ」「ユーティリティ」といったフォルダは、「Applications(Mac OS 9)」というフォルダに移動した。また、このApplicationsフォルダは、もとの「アプリケーション」フォルダでもあり、ルートにフォルダが散らばるのを防いでいるというところだろうか。だけど、フォルダ名は英語になってしまっている。
また、「書類」フォルダ(これは日本語のままだ)には、「Mac OS 情報」「Web ページ」「インストールログ」のフォルダが移動している。いずれにしても、ルートはかなりすっきりするだろう。ルートにある「最新情報」ファイルには、Mac OS 9.1での注意点が記載されているので、これは目を通しておきたい。
Finderには「ウィンドウ」メニューが追加され、開いているウインドウの名前が一覧されている。もちろん、そのメニュー項目を選択すれば、そのウインドウがアクティブになる。今時のマルチウインドウに対応したアプリケーションには当たり前に存在していた「ウィンドウ」メニューが、やっとFinderにもついたというわけだ。ポップアップウインドウも項目に出てきて、選択するとウインドウがポップアップする。

◇Finderの「ウィンドウ」メニュー
 


他には、ゴミ箱を空にするショートカットとして、Command+shift+deleteが利用できるようになった。また、「ファイル」メニューの「よく使う項目に追加」はCommand+T、「表示」メニューの「表示オプション」はCommand+Jのように、ショートカットが追加されている。「よく使う項目」の利用もいくらかは促進されるかもしれない。

◆iDiskへのログイン
 iDiskにログインをしやすくする機能がついたということだが、具体的にはネットワークブラウザ(アップルメニューから呼び出す)に、そのメニューが追加されたということだ。ネットワークブラウザのウインドウにあるボタンからプルダウンするメニューに「iDiskに接続」がある。これを使えば、Webブラウザからログインする必要はないわけで、短いステップでログインができる。このメニュー項目を選択した後は、おなじみのAppleShareのログインダイアログボックスが表示されるので、そこで、iDisk(iTools)のアカウントとパスワードを入力すればログインができる。

◇ネットワークブラウザでiDiskにログイン
 

他の変更点としては、Sherlock 2の「エンタテインメイト」チャネルの存在があるが、残念ながらネットワークエラーにより、プラグインがダウンロードできない。日本語版のプラグインの準備ができていないのだろうか? いずれにしても、ここから映画の情報などの検索が簡単にできるようになったというところだ。

◇Sherlock 2の「エンタテインメント」のチャネル
 

◆気になる安定度はどうだろうか?
まだ、少し使っただけなので今から安定性に関する結論を出すのは問題があるとは思うが、少し使ってみたところを報告しよう。
まず、Mac OS 9でできたことで、Mac OS 9.1でできなくなったことは今のところぶちあたっていない。インストール後にセットアップアシスタントは一応出るが、あらゆる設定がそのまま移行しており、インターネット関連の設定もそのまま使える。QuickTime 5のPreview 2も問題なく使えている。
ただ、アプリケーションを使っていて、キー入力のレスポンスが悪くなる場合があった。アプリケーションの問題なのか、ことえりなどの入力システムの問題なのかは不明だが、少なくとも、筆者が普段から使っているJedit4のキーレスポンスは悪くなっているような気がする。削除をして即座に入力したようなときに、ときどき、数秒、動作が止まるようになるのだ。まったくの想像だが、CarbonLib 1.1.1がインストールされるのだが、この影響と言うのはどうなのであろうか? AppleWorksなんかも、deleteでの削除がキー操作には追い付いていない状態になってしまっている。
だが一方で、何となくシステムの安定度は上がっているのかも知れないような気がするが、これは少し使ってみないと結論は出せない。自作のメール環境「Mac OSメール環境」ではAppleScriptとかJavaとかをバックグランドで動かしているのだが、動き始めるとそっとしておかないとすぐ落ちるのである。メール処理量が多いために日に何度もフリーズするのだが、とりあえず半日は1度も落ちていない。こんなことでは判断がつかないのは分かってはいるが、動きのひっかかりが少なくなっているような気がするのだ。いずれにしても、安定度についてはもう少し使ってみてから結論を出す方がいいだろう。
関連リンクMac OS 9