Mac OS 9.1についての続報をお届けしよう。Jedit4の動作がのろくなる問題は、やはりCarbonLibの問題だったようで、複数の読者方々からさまざまな情報をいただいた(ここの方々の名前を出さないで申し訳ないが、この場を借りて感謝を申し上げたい)。 CarbonLib 1.2にするという手もデベロッパーの場合は取ることも可能だろうけど、一般ユーザはCarbonLib 1.0.4に戻すのが無難だと言えるだろう。実際、Jedit4の開発元のまつもとでユーザサポートを受けた読者も、その方法を伝えられたという。CarbonLib 1.0.4のシステム機能拡張は、Jedit4のフォルダに入っている。それを、システムフォルダにドラッグ&ドロップすればいいが、その前に念のために、Mac OS 9.1に組み込まれているCarbonLib 1.1.1のファイルをどこかに退避させておこう。システムフォルダ外部の方がいいだろう。なお、CarbonLibを使うアプリケーションを起動していない状態で、システムフォルダのCarbonLibの入れ替えを行うようにしよう。そうすればCarbonLibを入れ替えても、再起動の必要はない。なお、CarbonLibを使っている状態で入れ替えはFinder上でできるが、それをしてしまった場合には、再起動しなさいとメッセージがちゃんと出る。 Mac OS 9.1にすると、別のCarbon対応アプリケーションも影響を受けた。Mac OS 9.0.4の「スクリプト編集プログラム」(Ver.1.4.3)の動作がかなり緩慢になる。これも、CarbonLib 1.0.4に入れ替えてもとりあえずは問題なく動くようだ。とにかく、現状では、CarbonLib 1.1を必要とするソフトはほとんどなく、むしろ前のバージョンに戻さないときちんと稼動しないソフトが出てくるとなると、迷わず1.0.4に戻しておく必要はあるだろう。ただし、今後、しばらくはCarbonLibのバージョンに気を払うということは忘れてはいけないだろう。
その後、Mac OS 9.1のコントロールパネルを片っ端から開くなど、違いがないかをチェックしていった。まずは「サウンド」コントロールパネルが変化している。このコントロールパネルはほんとによく変わる。デザインが変わっているのだが、入力、出力の設定がそれぞれあるのは基本的には変わらない。「スピーカ」も左右のスピーカーにホワイトノイズを出してサウンドチェックするというものだ。違いは、入力源ごとのゲインを設定できるようになったことだ。普通のユーザだとあまり意識しないかもしれないが、サウンドをまともに扱いたいユーザにとってはゲイン調節をきちんとしたいところだ。そうしないと、ノイズに音が埋もれたりもする。ただ、ビデオの取込みなどができるアプリケーションではゲイン調節は以前からできたので、システムにその設定があるのは知られていたが、それがコントロールパネルで調整できるようになったということだ。
◇「サウンド」コントロールパネル
「一般設定」コントロールパネルでは、デザインが変更されているが、システムフォルダを保護するようなオプションはなくなっている。この種の設定は、マルチユーザ機能を利用するようになったというところだろう。
AppleShareクライアントは3.8.8になり、一部の認証機能での不具合は解消されているが、大きな変化ではないだろう。FireWireは2.7になっている。ネットワーク関連では、Open Transportが2.7.4になっており、リモートアクセスは4.0となっている。ただ、どこが変更されたかということは明らかにはなっていない。 AppleScriptは1.5.5になっている。「スクリプト編集プログラム」もVer.1.5.5対応のものが組み込まれるようになっているが、こちらはCarbonLib 1.1.1でも動作は問題がない。やはり、CarbonLibのバージョンに応じたアプリケーションの修正が必要なのではないかと想像できる。Ver.1.5.5の「スクリプト編集プログラム」は、他にボタンなどのデザインが微妙に色合いが変わっているあたりが目につくつころだ。(なお、CarbonLib 1.0.4にしても、Ver.1.5.5の「スクリプト編集プログラム」は取りあえずは利用できるようだ。)ところで、AppleScriptのアプリケーションはかなり安定していると言えそうだ。長時間に渡ってループさせたり、あるいは実行中に頻繁にアプリケーション切り替えをすると落ちるなどの症状が見られたが、それは見られなくなった。おそらく、Mac OS 9.0.4まではメモリーリークなどがあって不安定要素があちらこちらにあったのではないかと思うが、それが今回のバージョンアップで解消さているのではないだろうか。細かいところだが、どうも乱数の発生コマンドに変更があるようだ。以前ほど乱数ではなく、同じ数値が出る確率が高くなっているような気がする(おかげで、作っているプログラムのバグが見つかったのだが…)。 いずれにしても、細かい変更点を早くTechnoteとして公開してもらいたいところだ。 |