こうした中で、とにかくAccessでいろいろ動いている業務用システムを何とかできないかという課題がしだいに大きくふくらんできた。具体的には取引先などの住所録や、精算処理などの定型業務の部分である。理想は簡単だ。Webベースにすれば、諸問題は大きく前進する。だが、今現在の環境では大なり小なり、開発が必要となる。Active Server Pagesで開発という話もあったのだが、コード作成のヤマになりそうなのは明白なので避けたかった。ファイルメーカーProをWebで使うことも考えたが、会社の規模的にはUnlimited版が必要になり、また、ファイルメーカーPro自体のコストも考えると、安く見積もっても20万はかかりそうなので、かなり出費的には痛い。また、コアなメンバーだけでも、慣れたAccessからファイルメーカーProへの移行にそれなりの労力がかかるわけだからその分のコストも考えないといけない。ファイルメーカーProも非常に魅力的なソリューションだが、Accessのデータベースからリプレスをすることになるわけで、その点ではMacバリバリの方々には想像もつかないとは思うが、意外なことに敷き居は高いのである。GoLiveやDreamewaver UltraDeveloperで、ASPベースでアプリケーションを作るというのも、ちょっと気になる存在である。 結果的にいろいろ検討した結果、WebObjectsのDirect to Webにたどりついた。とにかく動かすというレベルでは、プログラミングの必要はない。その後に、さまざまなカスタマイズができるという点も魅力だ。ただ、ODBCでAccessに接続するのはあまりお勧めできないと聞いている。確かに問題点もあったが、日常業務には支障がない程度の回避策も見つかったので、とりあえずWebObjectsで、WindowsオフィスをWebベースに移行することで突き進むことにしたのである。とにかく、定型的な業務を最小限の労力で、そこそこ使えるレベルに持っていく…こうした課題にWebObjectsで挑戦してみることにしたわけだ。チャレンジの途中でもあり、もちろん、途中で方針の変更もあり得る。だが、逃げ道を作っておくのも計算のうちだ。開発に多大な労力をかけていないのなら、あっさりあきらめてもさほど痛くはないわけだ。 次回から、Windows環境でのWebObjectsを実際にインストールして、Direct to Webが稼動しはじめるところまでを順次説明しよう。 |