【 森下克徳の崖っぷちからWebObjects】第10回〜Mac OS X Serverセットアップ・その2
カテゴリー
Mac OS X Server, 崖っぷちからWebObjects
作成日
2001/1/30 22:23:9
作成者
新居雅行
さてさて幸か不幸か、なんとかまっさらのMac OS X Serverがインストールできたわけだ。といっても、そのままではなんにもできない。Mac OS X Serverは、4.4BSDをベースに組み立てられている。では、すぐにNetBSDなどのBSD系UNIXと同じように使えるのかと言えばそういうわけではないのである。
最近はやりのLinuxと言うOSをみてみると、Linus Torvards氏がMinixというUNIX互換のOSをもとにつくりはじめ、そして世界中の有志によって構築されたわけだ。最初にでき上がったのはカーネルと呼ばれる部分で、現在ではディストリビュータと呼ばれるLinuxの配布元が、このカーネル部分にシェルやコンパイラ、各種ユーティリティーやインストーラをパッケージ化して配布している。だがパッケージ化していると言う事は、逆に言えば、カーネルだけではなにもできないと言っているのと一緒だ。普通のユーザーは、パッケージ化されたRed Hat Linuxとか、Turbo Linuxを指して、Linuxといっている。そして、それらユーティリティーも含めてLinuxを使うと表現しているわけだ。
Mac OS X ServerがすぐにNetBSDやFreeBSDと同じように使えるわけではないというのも同じような理屈で、たしかに土台には4.4BSDがあるわけだが、NetBSDやFreeBSDをインストールすると入るものが全部そろっているわけではないのである。
今回これからインストールしようとしているサーバソフトの数々は、インターネットの世界では、標準的に使われているものたちだ。つまり、UNIXの世界での標準と言う事だが、実はこのままではMac OS X Serverでインストール作業に取りかかる事はできない。
ところが、Mac OS X Serverには、このもっとも大切なコンパイルをする環境がないのである。となるとこれは、Mac OS X Server用のソフトウエアとして、インストーラを使ってインストールする形式のソフトウェアしかインストールできないと言う事になるではないか…。
で、ここに登場するのがWebObjectsである。実は、Mac OS X ServerにバンドルされているWebObjectsをインストールする事によって、コンパイルする環境がインストールされるのである。だから、もしも各種サーバとしてソフトウェアを導入して使用するとしたら、WebObjectsを使うつもりがないとしても、必ずインストールしておく必要がある。まずはそこから始めよう。この段階では、Macな人にもまだなじみやすいインストーラがインストールしてくれるので心配いらない。WebObjectsのCD-ROMからイスントールしよう。なお、Macな時代には、read meなどをろくに読まずにインストールして、ろくに説明書も読まないでソフトウェアを使いまわしていた人も多いだろう。だが、これから入る世界では、そういうわけにはいかない。まずはread meを読む癖をつけたほうがよい。今回は手順は書かないので、各自チャレンジしてもらいたい。