タイトル【WindowsオフィスでWebObjects】WindowsにIISをインストールするカテゴリーWindows, WebObjects
作成日2001/2/3 15:28:40作成者新居雅行
WebObjectsはソフトの名前にもなっている通り、Webで機能するソフトウエアだ。しかしながら、Webサーバの機能は含まれていないため、一般に使われているWebサーバを何かしら用意しなければならない。もちろん、サーバマシンを場合によっては用意することになるだろう。ここで、当初の目的はAccessのファイルをそのまま使いながらも、WebObjectsでWebアプリケーションへの道筋をつけるということだ。WebObjectsもいろいろなデータベースを使えるとは言うものの、Accessはクライアント/サーバ形式のデータベースエンジンではない。たとえば、Mac OS X ServerからAccessのデータベースに接続するということはできないわけである。つまりは、ODBCを使い同一マシンでAccessのODBCドライバが機能しないといけないとなると、必然的にWebObjectsを稼動させるマシンはWindows 2000ということになる。Windows 2000マシンで、WebサーバであるIISを稼動させ、同時にWebObjectsのアプリケーションも稼動する。そしてファイル共有の機能を使って、Accessへのアクセスもできるようにすればいいと考えた。もちろん、理想はWindows 2000 Serverなのだが、けっこう高い。それで、数人のファイル共有アクセス、その他の従業員はWebでアクセスするとすれば、Windows 2000 Professionalでいいのじゃないかということになった。アクセスが集中した場合に、Windows 2000 ProfessionalでのWebサーバはアクセス制限にひっかかるかもしれない。Pro版での動作では10接続に限られ、Web Server, FTP Serverの設定は限られ、仮想ドメインは設定できないのである。ちょっと心配ではあるが、常時使うアプリケーションを使うときにまた考えるとして、とりあえずWindows 2000 Professionalを使うことにする。なお、稼動マシンはWindows 2000 Serverだけど、開発マシンはWindows 2000 Professionalということもあるだろう。実は、Server版もPro版も、Webサーバは同じくIIS Ver.5なので、OSの違いはほとんど出ないと思われる。

◇Windows 2000 Professional では PWS ではなく IIS 5.0 を動作
 http://www.microsoft.com/JAPAN/support/kb/articles/J054/2/29.htm

さて、ここでWebサーバのIISのポイントを押さえておきたい。まず、Windows 2000 Professionalでは既定の状態ではインストールされていない。CDを用意して、コントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」を呼び出し、左側の一覧で、「Windowsコンポーネントの追加と削除」を選択する。しばらく待つと、Windowsコンポーネントウィザードが出てくる。ここで、「インターネットインフォメーションサービス(IIS)」の項目にチェックを入れて、後は指示とおり作業をすればよい。これでインストールされる。なお、IIS関連の設定を行う方法はいくつかあるが、よく使うのは、デスクトップにある「マイコンピュータ」のアイコンを右クリックし、表示されるメニューから「管理」を選ぶ。そして、「サービスとアプリケーション」という項目の下に「インターネットインフォメーションサービス」の項目がある。あるいは、コントロールパネルの「管理ツール」を開くと「インターネットサービスマネージャ」という項目がある。こちらだと、ウインドウにはIIS関連の設定しか出てこないので、煩わしさは少ないかもしれない。また「管理ツール」には「パーソナルWebマネージャ」というものがあり、単純な設定ならこちらの方が楽かもしれないし、Webに関するチュートリアルもある。
IISは当然ながらTCP/IPを利用して、Webサーバとして機能する。もちろん、各種の設定ができるが、とりあえずはデフォルトで使ってみることをお勧めする。初期状態では、起動ディスクのルートにInetpubフォルダが作られる。その中に、wwwrootというフォルダが作られるが、そのフォルダの中身はWebサーバによって公開される。文字通り、そこがWebで公開するフォルダのルートになるわけで、スタティックなHTMLファイルをそこに入れておけば、ネットワークの向こうにあるWebブラウザで参照できるようになるわけだ。次に、InetpubフォルダにScriptsというフォルダがある。ここもWebで公開しているが、Webサーバから見れば、wwwrootの下位のフォルダのように扱われることになる。通常のフォルダはスクリプトのみが実行可能になっているが、Scriptsではスクリプトだけでなくアプリケーションなどの実行が可能になっている。実際、WebObjectsは、.exeファイル、つまりWindowsでの実行可能ファイルなので、ここに入れておくということになっているようだ。(Scriptsという名前は混乱の元だと思うのだが、まあ、仕方ない。)Apacheの標準ディレクトリと対応させれば、\Inetpub\wwwrootはapache/htdocs、\Inetpub\Scriptsはapache/cgi-binだと言えば良いだろうか。
とりあえずここまでのWindowsの準備は必要だ。また、Accessのファイルをファイル共有で公開するにはその設定も必要だ。これはどこにあってもいいのだが、常識的にはwwwrootの外がいいと思われる。Windowsのネットワーク管理はいろいろ難しいと思うところもあるかもしれない。Windows 2000 ServerとProfessionalで、ユーザ設定が違っていると言ってよいだろう。Server版だとActiveDirectoryも絡むので、Macintoshの知識だけではかなりつらいかもしれない。Professional版は、デスクトップの「マイコンピュータ」を右クリックして、メニューから「管理」を選ぶと「ローカルユーザとグループ」という設定がある。そこで、アカウントやグループを定義することができる。
いよいよWebObjectsをインストールするのだが、その前に、マシンのIPアドレスなどのネットワーク設定を今後は変更しないという線まで持っていっておくのが無難だ。実は、後からIPアドレスなどの設定を変更すると、結果的にはWebObjectsの再インストールが必要だった(もしかすると、どこかに設定があるのかもしれないが…)。もっとも、再インストールするだけで済むのだから、事情が分かっていれば問題はないかもしれない。いずれにしても、WebObjects導入後のネットワーク設定の変更には注意をしておく必要があることを頭の片隅に入れておけばよい。
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