Mac OS XでのNAT機能を利用するためのユーティリティ「gNAT 1.0b1」がリリースされた。Ben Lachman氏によって制作されたものだ。NAT(Network Address Translation)は、1つのIPアドレスでインターネット接続を行うマシンを媒介して複数のマシンからのインターネット接続を行うようなメカニズムだ。たとえば、コンピュータにEthernetカードを2枚差し込み、一方をインターネット側に接続し、もう一方を内部のLANに接続する。そして、内部のLANにある複数のコンピュータからのインターネット接続をできるようにする仕組みだ。たとえば、モデムでPPP接続を行い、そのマシンのEthernetの先にある何台かのマシンからPPP接続を共通で使うなどの使い方ができる。最近ではこうした機能を行うNAT BOXやブロードバンドルータなどといわれるコンパクトなボックスが使われることも多くなっている。その機能をMac OS Xのマシンで実現するもので、各種の設定がウインドウで行えるようになっている。実際のNATの処理はnatdというデーモンが背後で動くが、これはFreeBSDなどにも存在するものである。現在はモデムやAirMacとEthernetの間のNAT変換が主な用途となるだろうが、各種のEthernetカードがMac OS Xに対応した場合には、Ethernet間でのNATが手軽に利用可能となる。 |