ワープロ、表計算、プレゼンテーションソフトの機能を備えた「ThinkFree Office 1.5」のMac OS対応版がリリースされた。これらの機能に加えて、インターネット経由でファイルを保存できるディスクスペースなども統合的に利用できるアプリケーションだ。Javaで作られているため、プラットフォーム間での移植作業が容易であることが1つの大きな特徴である。これまでWindows版や英語版のMac OS版が配布されていたが、日本語版のMac OS版もリリースされた。Linux版も予定されている。これらの各プラットフォームで作られた文書ファイルは完全に互換性があるとしている。ダウンロードしたものについては30日はフリーで使える。また、ネットワーク上のディスクスペースも同様に無償で登録するだけで30日間使える。それ以上の期間を使うには、年間4,850円の会費を支払う。コスト的に見ても安価なオフィススイート製品だと言えるだろう。アプリケーション自体はSwingをベースに作られており、1つのアプリケーションの中で、ワープロ、表計算、プレゼンテーションのそれぞれの文書ウインドウを開くことができるという、いわゆる「統合ソフト」の形式を取っている。Mac OS版は、MRJをインストールしたMac OS 9までのシステム向けである。Mac OS Xのネイティブ版ではないが、Mac OS Xにインストールした場合はClassic環境で実行できる。 ThinkFree Officeはプラットフォームに依存しないで、ワープロや表計算が使えるという点では注目できる。また、インターネット上のストレージを使うことで、1台のマシンに縛られないということにもつながる。一方、Microsoft Officeとの「互換性」を強くうたっているが、そこそこ近い感じにはなっているものの、同一ではない点にも注意が必要だ。ThinkFree Officeの方が機能的には少ないものとなっている。もっとも、シンプルにワープロや表計算を使いたい人だと十分な機能は揃っているとも言えるかもしれない。操作体系もおおむねMicrosoft Officeに従ったものとなっているので、Officeユーザは違和感なく使えるだろう。なお、MRJの制約でディスク名が英語でないと稼働しないなどの制約もあるので、自分にとって実用になるかをまず見極める必要があるだろう。その意味ではフリーで試用できる点は大きなメリットだ。 |