タイトルiBook記者発表会が開催、新たなサポートプランの発表もカテゴリーiBook, イベント
作成日2001/5/9 14:5:30作成者新居雅行
2001年5月9日、アメリカの発表から遅れること1週間余りの後、日本でもリニューアルしたiBookの記者会見が東京で行われた。記者会見の様子をお届けしよう。
まずはアップルコンユータ代表取締役社長原田永幸氏よりのスピーチから始まった。新しいiBookはコンシューマ市場への本格的な取り組みであることをまずは紹介した。2001年度の前半(2000/10〜2001/3)は、パソコン市場の成長鈍化の影響があったが、その中で過剰在庫を大幅に削減し、1月以降にPowerBook G4やSuperDirve搭載のPower Mac G4、Mac OS XやiTunes等各種のアプリケーションなど画期的な新製品を投入できた。また、CD-RW商品投入が遅れたこともあったが、それも対応できた。そして第一、第二四半期の業績を示し、第二四半期は黒字になったことを示し、財務体質が健全なことをアピールした。日本では第二四半期は2億1400万ドル、出荷台数は10万7000台であることも公開された。第三、第四四半期ではサポート体制の充実と新製品の投入が行われる。修理サービスの費用低減および期間の短縮が行われる。今までは、アップルの意図しないサービス内容になっていた点を認め、サービス体制の構造改革を行い、ピックアップ&デリバリーサービス、在宅自己修理、そして対面修理サービスを行うようにした。修理費用も従来は18,000〜148,000円というレンジだったが、20,000円ないしは47,000円の2ランクになる。在宅修理では1,000〜40,000円というレンジになり、低価格化を実現できたとしている。また、見積もりと承認のプロセスを簡素化するかど、やりとりが少なくなることで、低価格な修理サービスが実現できたとしている。サポートに関しては、インターネットを利用したサポートして、ソフトウエアアップデート、Tech Exchange、Tech Info Library、製品サポートページを提供する。また、AppleCare Protection Planを発表し、保証の3年間への延長、無料電話サポート、ハードウエア診断ツール、インターネットサポートが含まれる。つまり、サービスとサポートの商品化であり、5月25日からAppleStoreやショップなどで購入できる。本体購入後1年以内なら加入でき、機種ごとに18,000〜42,000円となっている。
ノートブックパソコンとしては、PowerBook G4とiBookの新しいものがラインナップとなった。コンシューマ向けのノートとして新しいiBookで再定義する。iTunes、iMovie、iToolsを搭載した、今日のデジタルライフに完全にフィットしたノートパソコンとしてアピールする。つまり、各種デジタル機器を接続し利用するソフトウエアを搭載していることで、iBookをデジタルハブとして利用できるということである。ハードがつながるだけでなく、ソフトウエアも含めて提案できるのがiBookの強みであるとした。さらに、ワイアレスネットワークに対応し、これまでの「ポータブル」から「モバイル」と言える2.2kgの重量、そして158,000円という低価格を実現している。5月25日(金)から出荷される。そして「日本で最初に公開する」と前置きして、iBookを見せた。

続いて、アップルコンピュータのプロダクトマーケティング福島哲氏からのスピーチに移った。iBookをアピールするビデオ(Appleの幹部やユーザの声で構成されたものでAppleのWebサイトで公開されていたものに日本語の字幕が付けられていた)を見せた後、実際の説明に移った。新機種のテーマは「Your Life, To Go.」であるとして、デジタルライフをこれ1台ですべてまかなえるものとしてアピールする。大きな特徴は2.2kg、ディスプレイの解像度が1024×768であること、選択できるドライブ、そして5時間の利用ができるバッテリー。また、デザインも一新され、ディテールを解説した。機能を削ることなく軽量コンパクトを実現し、フルサイズのキーボード、そして頑丈なデザインとなっている。外側は厚いポリカーボーネート、内側のマグネシウムフレーム、ハードディスクをラバーマウントして落下の衝撃にも強くなり、ラッチやレバーなどの可動部をなくしたデザインとなっている。ディスプレイは12.1インチで、1024×768ドットの解像度となっている。パフォーマンスは500MHzのG3と同一クロックの256KBの2次キャッシュ、64ないしは128KBのメモリを標準搭載し、576あるいは640KBまでのメモリを搭載できる。Quake 3のベンチマーク結果を示し、Windowsマシンよりも高いパフォーマンスが得られることもアピールした。バッテリーは最長で5時間利用でき、バッテリー残量のインジケータもiBookでは初めて搭載した。用途に合わせてドライブを4種類から選択できる。ビデオ出力もRGB、NTSCに対応し、AirMac対応、そしてメモリを128MB以上搭載が必要だが、Mac OS Xにも対応している。拡張ポートについても写真を示してそれぞれが説明された。
iBookとデジタルライフスタイルについての説明があり、ビデオやワイアレスネットワークなどAppleが業界に先駆けてサポートしてきたことを説明し、集めたデータの加工や編集、変換などが可能なデジタルハブとしての機能を説明した。デジタルハブとは単につながるだけでなく、データを処理するためのソフトウエアを搭載していることが必要条件であるとした。コンピュータを中心としたデジタルライフスタイルについてのデモに移った。音楽を探すことがインターネットで簡単になったとし、SherlockのショッピングチャンネルからTowerレコードの検索を行って見せた。続いて、iTunesを使ってのデモが行われた。CDをセットすると、CDDBにアクセスしてそのCDのアーチストや曲名の情報を自動的に取り出す。そして読み込みボタンを押すことで、CDからハードディスク内にMP3フォーマットとしてダビングができる。iBookだとおおむね、3〜4倍速でダビングができる。iBookにはMP3のデータが最初から100曲分入っている。さらに、携帯MP3プレイヤに転送することなどができる。さらに、ラジオチューナの機能を説明し、インターネット上にあるラジオを聞くことができることが説明された。リストアップされているものだけでもジャンル分けして800局ほどがある。
続いてiToolsについてもデモが行われた。ユーザ登録で20MBのディスクスペースが使えるようになり、ホームページ機能で写真を簡単に公開することができる。実際に公開されたページとして、子供の成長記録のページや、新聞調のイベント記録、結婚式の写真などを見せた。また、インターネットで子供のビデオを公開する場合においても、ビデオの取り込み、作成、公開までもできることを示した。さらに、iCardとして、グリーティングカードを作成してメールで送信することができることも示された。
そして、Macintoshのアドバンテージとして、ハードウエアからソフトウエアまで一貫して提供している点であると説明した。同じようなソフトウエアもあるが、Appleのものがいちばんよく考えられたソリューションを提供できるとした。最後に、ドライブの種類ごとに異なる価格の一覧やBTOオプションが示された。
また、Exciteと共同でWebブラウザのスタートページを5/9より開始したことが説明された。iBookのWebブラウザのホームページは、このページになっていることも公開された。

続いてQ&Aが行われた。回答はいずれも原田社長である。
Q:シェアが1桁台に落ち込んだが回復の施策はあるのか?
A:iMacはかなりの売り上げとシェア確保を実現したが、現状ではニューユーザというセグメントは低いためそうした売り上げはあまり見込めない。出荷ベースのマーケットシェアが公開されているが、あくまで実売を見ている。シェアを確保するのが目的ではなく、マックらしいユーザを取り込むということを第一に考えている。クリエイタといった人たちでのシェアを重視している。また、iBookで初めて購入するユーザを取り込みたい。
Q:軽量化されたiBookは日本市場を意識したものなのか?
A:日本ではノートの市場比率が高い。ワールドワイドで一貫した商品戦略は行っているが、日本市場の重要性は意識している。AppleStoreでもiBookに対しては大きな反響があった。
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