タイトルiBook発表会で実際にさわってみた感触カテゴリーiBook
作成日2001/5/9 17:1:16作成者新居雅行
iBook発表会の直後に、プレス関係者に自由にiBookをさわる機会を与えられた。Macintoshメディア関係者が打ち揃い、買いかそれとも見送りかなどと談義をしなが、あれこれとさわることができた。まずは、写真で見る印象とかなり違うということを実感した。やっぱり写真だけだと、実際に見たことがあるPowerBook G4の印象で、新iBookを見てしまう。もちろん、PowerBook G4の材料はチタンであり、iBookはポリカーボーネートだ。やはり質感は全然違うのである。特にiBookのディスプレイの裏側(つまり、閉じたときにふたに当たる部分)については、かなり白く光沢があるという感じである。その部分の雰囲気がPowerBook G4と大きく異なるのである。ぱっと見では、厚みについては、思った以上にあると感じた。真横から見せる写真はより薄く見せるのではないだろうか。重さはどうだろうか…やはり、期待通りの2.2kgだ。重いと言えば重いけど、PowerBookより確かに軽い。Windowsのサブノートよりも重くて厚みがあるのは当然だけど、Windowsのフルノートタイプに比べるとけっこう軽くて小さく思える。Windowsノートでも、一部にはフルスペックで軽量のものがあるが、そういわれればそのタイプのものは最近はあまり見なくなった気がする。
液晶ディスプレイを開くと、本体との接続部分が本体の向こう側に沈む設計になっている。VAIO等でも同じようなデザインのものがあるが、これはけっこういい感じだ。本体から突き出たディスプレイよりも、実際に使用しているときの高さが低く感じるし、実際に低くなるのだろう。そういう意味では開けている状態のノートパソコン独特の圧迫感は少ないと感じた。やはりデザインについても細部に至るまでスマートにできている。いろいろパーツがある割にはごてごてしていない、すっきりしたデザインなのだ。
iBookについての細かいスペックはすでに公開されており、新しい話は少なかったのだが、iTunesの中に最初から100曲ものMP3データが入っている。会場での実機にインストールしているもののiTunesを見てみたが、洋楽でいろいろなジャンルのものをバランス良く選曲したという感じであった。また、ハードディスクがラバーで保護されているので、落下したときの衝撃の強さもより強くなったというのは、腕力のない子供が扱ってもなるべく壊れないようにという配慮だろうか。

いずれにしても、新iBookは、今まさにパソコンを買おうとしている人にはお勧めできる機種だろう。MP3やビデオ編集、そしてインターネットなど、パソコンでできる代表的な作業はほぼ、すぐにでもこなせる状況にある。サブノート待ちだった人でも、ドライブがついたマシンがほしかったという人には、間違いなく最適な選択肢だと言えそうだ。また、以前のiBookはユニークなデザインだったが、あまりにユニークすぎて引いてしまった人も、新iBookは安心して買えるだろう。その意味ではおとなしいデザインになったことで、市場は増えると見てもいいかもしれない。
一方、ドライブのないもっと軽いサブノートを待っていた人にとっては非常に迷うところだろう。また、500MHzとは言え、G3であることや、2次キャッシュが256MBというあたりのスペックは、安価であるから割り切るべきとは言ってもやはり処理能力の影響しないかと気になってしまう。
もっと悩ましいのは、どのドライブを搭載したマシンを買うかということでもあるだろう。もちろん、お金に余裕がある人はDVD&CD-RWのいちばん高いマシンがいいと言えばいいのだが、お金に余裕がある人はきっとPowerBook G4に目が向くだろう。DVDビデオが見たいか、それともCD-Rに書き込みたいかということでどちらを買うかということを結論づけないといけないだろう。もっとも、ちょっとでも安くCD-ROMドライブという選択肢もある。
登場したばかりで性急な評価はできないが、Cubeの不良品問題や、CD-R対応の遅れなどなど、マイナス面ばかりが強調されたここ半年のMacintoshラインナップに、期待の新製品が出たということは確かである。柄物iMacも目をひくけども、やっぱりフェイントを感じる。PowerBook G4はいいのはいいのだが、「いいものは高い」という伝統的なMac的スタンスを強く感じる。その意味では、iBookはみんなに勧められるということでも、当たりの良さそうな商品ではないかと思うがどうだろうか。
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