2001年5月15日、ファイルメーカー社は日本国内で記者会見を開催した。その模様をお届けしよう。結論から先に言えば、ファイルメーカーPro 5.5の発売時期や価格は未定である。また、iモードを端末とするサーバ機能を提供することも明らかになった。 まず最初に、今年の2月から放映しているテレビコマーシャルを見せた。代表取締役社長の宮本高誠氏の話が続く。600万コピーを越える販売実績を持ち、さまざまなジャンルの顧客に広範囲に提供している。ファイルメーカーは2000年まではWindowsとMacintosh、インターネット向けのソフトウエアだった。つまり、パーソナルコンピュータのソフトウエアメーカーであった。2001年3月にPalm OS向けにファイルメーカーMobileを発売し、PDAとの統合ができた。ファミリ製品の紹介を行ったあと、5月14日に米国で発表された内容に話が移った。新製品で新たに5つの対応プラットフォームを追加するというものである。それらは、Mac OS X、Windows 2000、redhat Linux、iモード、Pocket PCである。Mac OS Xのネイティブモードに対応し、Windows 2000のロゴを取得しているFileMaker Pro 5.5が販売を開始した。そのほかの製品の英語版は夏から秋にかけて販売開始する。Server 5.5は、Windows NT/2000、Mac OS、Mac OS Xネイティブ、RedHat Linuxに対応する。モバイルのニーズに対応するために、FileMaker Mobile for Pocket PCを2002年上半期にリリースする。さらに2001年中に日本では「FileMaker Mobile for i-mode」をリリースする。インターネットに公開されたデータベースをiモード携帯電話から参照やデータ変更などをできるようにするといったものだ。さらに、IT部門の要求に応えるための機能を追加した。Windows 2000 Terminal ServerやCitrix MetaFrameへの対応を行った。集中管理によるTCO削減への提案ができるようになった。 ファイルメーカーの市場についての解説に移った。ITスタッフ、知識労働者、個人ユーザの3つのセグメントがあると認識している。ITスタッフとは企業の基幹システムの市場であり、オラクルやERPなどを利用しているようなユーザで、ファイルメーカーの直接のターゲットではない。しかしながら、そうしたユーザに対してもデータ処理での利用を行うための提案をしている。さらに、ワークグループ市場として知識労働者をターゲットとしている。グループレベルでの情報共有を実現するが、個人でシステム構築をして使うくらいの使いやすさが必要とされている。そして、ワークグループが求める理想的なソフトウエアと、基幹システム向けのソフトウエアの要件を示し、求められているものの違いがあることを示した。ファイルメーカーProとワークグループのニーズとのギャップを埋めるために、インターネットサポート、接続性の向上、プラットフォームの拡大という目的を示した。そして、製品のポジションをシステム的な側面そして利用環境的な側面から図示した。 さらに、日本での取り組みについての説明が行われた。テレビコマーシャルなどのBranding、実際に使ってもらうためのUser Experience、150を越えるユーザ自身が執筆した導入事例、無償でのソリューション提供などを行っている。日本側で主導的な役割を演じたものとして、iモード対応がある。実際にiモードを使ったソリューション事例のデモが行われた。アクセスを行うと、メニュー一覧に加えてGIF画像が表示されている。ボタンを押してメニュー選択を行い、検索条件を入力するが、プルダウンメニューからの条件指定もできるようになっている。住所録からの検索結果から電話をかけたり詳細な情報へのアクセスがデモされた。また、レストランなどのエリア情報の検索もデモされた。iモードという日本だけの機能を実現していることや、ソリューションを無料で配布してアピールする点が功を奏している点などが説明された。iモード向けのページに必要なCHTMLのページとソースを示し、ファイルメーカーではこうしたCHTMLのタグを手作業で書く必要はなく、自動的に生成される点での手軽さを説明した。また、別の事例として、介護サービスの現場でサービス提供内容を入力するような画面や、店頭在庫のチェックと入力を行うような画面を見せた。 最後に、新製品の日本語版については、価格や発売時期などは「そう遠くないうちに」アナウンスが出せるだろうとの見通しを示した。これまでの実績は2、3ヶ月に収まっている点も指摘された。 |