Borland Softwareは、Javaの統合開発ツール「JBuilder 5」をMac OS X向けにリリースしたことを発表した。2001/5/21から開催されているWWDC 2001では来場者にベータ版のトライアル版を配布している。正式な発売は、2001年中になっているが、後半になる模様だ(later this yearと記載されている)。JBuilder 5はJava2 Ver.1.3に対応した開発ツールで、クライアント向けのアプリケーションやアプレットの開発はもちろん、サーブレットやJSPの開発までこなすことができる。また、データベースを利用するようなアプリケーションを開発する機能もある。統合開発環境となっており、1つのアプリケーションの利用で、プログラミングからコンパイルやビルド、デバッグまでをこなすことができる。Swingに対応したビジュアル開発ツールでもあり、ウインドウにボタンやテキストボックスを配置すると言った作業でユーザインタフェースを設計できる。設計に従ったJavaのソースコードを生成するといった感じだ。ソフトウエアの見た目は、JBuilder 4とそれほど大差はない。Windows版などのJBuilderを使ってきている人は、違和感なくMac OS X版を使うことができるだろう。Mac OS Xで稼働するわけで、Aquaユーザインタフェースが全面的に採用されている。開発ツール自体のメニューはMac OS式にメニューバーに表示されるが、作成したアプリケーションのメニューについては、ソースコードに依存する。開発ツールは1つのウインドウを分割してファイル一覧やソース、ビジュアル設計画面を表示する形式になっているのもJBuilder 4と大きく違った点は見られない。ツールバーはウインドウの上部に存在している。ベータ版を見る限りは、Mac OS Xのバンドル形式のアプリケーション作成などはできない。Mac OS Xでダブルクリックで起動するようなアプリケーションを作るには、Project Builderを使ってパッケージ化することになるだろう。一般的なJavaアプリケーション、すなわちManifestファイルを含めたJARファイル作成などは可能となっている。しかしながら、本格的なJavaのRADツールとしては大いに期待できる開発ツールであることは間違いない。CodeWarriorもVer.7でMac OS X対応してきているだけに、ツール群の充実は日増しに高まっている。JBuilder 5はサーブレットやJSPといったサーバコンポーネント開発ができる点も注目できる。ただし、Windows版などを含めてJBuilder 5は無償版は存在しないため、Mac OS X版でフリーのJava開発ツールという期待はあまり実現しそうにないとも言える。
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