広文社より「Mac OS Xプログラミング入門 Objective-C」が出版された。価格は\4500で、460ページあまりの大作だ。筆者は、神戸大学大学院自然科学研究科助教授の荻原剛志氏だ。C言語の知識をベースにして、Objective-Cの解説を行うのが本書の大きな目的だ。オブジェクト指向やあるいはObjective-Cでのメモリ管理などに加えて、CocoaフレームワークのFoundationについての解説が行われている。文字列や配列など、Objective-CでCocoa向けのプログラミングを行うときには必ず使うようなクラス群がFoundationだ。さらに、カテゴリや抽象クラス、プロトコル、デリゲートや通知と続き、より高度なオブジェクト指向プログラミング関連の話題を説明している。カードゲームや、画像ビューアといったサンプルも示している。さらに、例外処理やスレッド、分散処理といった内容も含まれている。一方で、Interface Builderを使ったGUI制作については他の書籍に譲るとして、この本では触れられていない。Objective-Cの基本はCocoaプログラミングの基本でもある。「入門」という書籍タイトルではあるが、むしろ基本をみっちりやるという意味で本格的な書籍と言えるだろう。いずれにしても、Mac OS Xでのプログラミングをやる人にとっては必携の書籍になるだろう。 |