GammaStream Technologies社から、WebObjects 5向けのフレームワークと、Javaの汎用ライブラリがフリーで公開されている。WebObjects 5向けのフレームワークである「WOBox 1.0.2」は、日付や時刻をポップアップメニューで指定するようなユーザインタフェースを作る機能や、HTML文字列をフォントや色などさまざまな属性を指定して表示できる機能、あるいはボックスに文字列やグラフィックスなどを表示するような機能がコンポーネントとして利用できるようになっている。ドキュメントがあまりしっかりないので、簡単に使い方を説明しておこう。ダウンロードしたフォルダには、WOBoxExamplesとWOBoxの2つのフォルダがある。まず、WOBoxの方を開いてプロジェクトファイルを開く単にビルドすると、buildフォルダにWOBox.frameworkというフォルダができるので、これがフレームワークとなる。これをどこかにインストールして使うことになるが、たとえば、/Library/Frameworksフォルダにコピーすると良いだろう。そして、WOBoxExamplesでとりあえずサンプルを見るということになると思うが、このフォルダにあるプロジェクトのWOBox.frameworkの参照パスは正しくない(というか、開発者のシステムに依存したパスではないかと思う)。だから、左側でFrameworksのグループを開き、WOBox.frameworkの項目を選択して、Command+Iを押して、プロパティを表示する。そこに「パスを変更」というポップアップメニューがあるので、そこから「パスを設定」を選択し、さきほどインストールした/Library/Frameworks/WOBox.frameworkフォルダを選択すればよい。これで、WOBoxExamplesを実際にWebObjects 5のWebアプリケーションとして実行できるようになる。もちろん、フレームワーク自体は稼働環境に合わせてインストールすれば良く、ここでの説明はあくまで一例である。ドキュメントはないものの、フレームワークのソースや設定ファイルが公開されているので、WebObjectsに慣れていればそれほど難しいものではないだろう。 さらに、もう1つ公開されている「GammaCore 1.0.0」というライブラリは、JARファイル形式で提供されている純粋なJavaのライブラリである。GammaCoreはWOBoxには含まれていて、内部的な処理を行っている。文字列や配列の処理といった基本的なデータ処理を行うユーティリティクラスである。いろいろな機能があるが、ざっと見たところでは、文字列の中身を置き換える機能や、Vector型のリストの内容をつないだ文字列を作るなど、Stringクラスでは組み込まれていないような機能をメソッド一発で使えるようで、プログラミングの効率化に貢献しそうである。 |