タイトル | アップルがMac OS X ServerとWebObjects 5の説明会を開催(1) | カテゴリー | WebObjects, Mac OS X Server, イベント |
作成日 | 2001/6/22 18:36:32 | 作成者 | 新居雅行 |
2001年6月21日、アップルコンピュータ株式会社は同社のサーバー向け製品であるMac OS X Serverと、Webアプリケーション開発・運用環境であるWebObjects 5について、媒体向けの製品説明会を開催した。前半がMac OS X serverについて、後半がWebObjects 5についてという2部構成で、実際のデモなどを交えた長時間に及ぶものとなり、会場となった東京・初台のアップル社にはおよそ30人の媒体関係者が訪れた。 各製品についてのプレゼンテーションは、同社のプロダクトマーケティング部・鷲滝薫氏によって行われ、アップルとしての取り組みなどが述べられた。今回対象となった製品はどちらもすでに発表・発売がなされているため、内容的にはおさらいの意味も兼ねたものだったが、担当者から直接話が聞けるという点において、こうした機会が設けられることは好ましいと言える。 □堅牢性と使いやすさを強調するMac OS X Server まずはサーバーOSであるMac OS X Server 10.0(以下X Server 10.0)について。これは端的に言ってしまえば、現在販売されているMac OS Xに、同社のサーバーソフトであるAppleShare IPの機能を組み込んだものということになる。バージョン表記が10.0となることからも、Mac OS Xとの整合性を取ったものと言える。アップルは「UNIXのパワー」という点を強調し、OS本体の先進性や堅牢性をアピールした。 同社はこれまでAppleShare IPとMac OS X Server 1.xという2種類のサーバー向け製品を提供してきたが、前者はプリントサーバーやファイルサーバーといった基本的な機能を備えたもの、後者は現在重要視されているインターネットサービスに向けたもの、というかたちでターゲットや運用環境の切り分けが行われてきたと説明。今回登場したX Server 10.0は、この2つの機能を包括し、かつDHCPやDNS、SLPなどのネットワークサービス機能を加えたことで、サーバーに求められる各種の機能を確実かつ使いやすいものとして提供できるとした。ここに出てきたSLP(Service Location Protocol)はアップルが独自に追加したもので、かつてのAppleTalk環境で可能だったゾーン設定や「セレクタ」によるゾーン確認といったネットワーク環境の視覚的確認やアクセスの機能をTCP/IPベースで可能にする。アップルが「視覚的な使いやすさ」という点を強調するひとつの根拠とも言える。ただし、今回のバージョンではDNSサービスについてはまだX Server 10.0の管理ツールだけでは設定ができず、一部Terminalを使わなければいけない。これは今後対応していくという。 Web/メール/QuickTimeストリーミング/WebObjectsといった、従来製品が備えていたネットワークサービス機能はもれなく搭載しており、NetBootも健在。以前はBootPで行っていたNetBootは、DHCPで管理するようになった(BootPも使用可能)。運用規模については、いわゆる基幹業務向けの大規模なものではなく、中小規模に向けたものと位置付けているという。スペック上は無制限となっているQuickTimeストリーミングは、実質的に2000ユーザーくらいが上限と考えたほうがいいという。また、XServer 10.0のパッケージには10クライアント版とUnlimitedクライアント版があるが(このクライアント数はMacintoshサービスの対象となるものを示すため、Windows環境やUNIX環境のクライアントは含まれない)、Unlimitedクライアントの場合でも、実際の運用においては1000クライアントほどが上限と考えたほうがいいというコメントがあった。 とかく機能が増えると設定・管理・運用が複雑になるとされるサーバー製品においても、アップルらしい使い勝手の良さを実現すべく、視覚的な操作のしやすさに主眼を置いたと鷲滝氏はコメントした。実際のデモにおいても、リモート管理の容易さやダイアログ設定とドラッグ&ドロップを基本とした操作でほとんどの設定が行えることを披露し、謳い文句どおりの使いやすさを示した。ストリーミング中に回線が切れてしまった場合などに、再生が中断したところから元の状態に復帰できるスキッププロテクション機能や、サーバー本体の電源が突然落ちてしまった場合に、自動的に本体の再起動処理を行うフォールトトレラント機能のデモも行われ、サーバーとしてのサービス提供の確実さや動作の信頼性をアピール。自信の程を見せた。 質疑応答では、RAIDシステムへの対応やIPv6への対応、サーバーソフトとして用いられてるApacheのアップデートについて質問があり、それぞれ、RAIDは現在未対応である旨、IPv6はOSの下位レベルでは対応しているがアプリケーションベースではまだ対応していない旨、そしてApacheのアップデートは可能ではあるが、その場合アップルが独自に用意したアダプタの動作は保証できなくなる旨の回答がなされた。RAIDシステムについては、Mac OS X対応の製品が出てくれば、X Server 10.0も中身は同じなのですぐに対応できるはずだというコメントもあった。 ◇Mac OS X Server http://www.apple.co.jp/macosxserver/index.html ◇Macintosh Server G4 http://www.apple.co.jp/server/index.html | |
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