Mac OS X Server 10.0には、AppleShareのファイルサーバ機能が最初から組み込まれる。ただ、AppleShareという名前はほとんど目にしない。Apple File ProtocolとかApple File Serviceみたいな言い方になっているので、以下、AppleShareではなくAFPとしてファイルサーバ機能を参照することにしよう。AFPの機能は特に何も意識しなくてもMac OS X Serverをインストールすると組み込まれる。セットアップ時にスタートアップ時に起動するかという選択肢があるが、もちろん、常時使うのであれば起動するにしておく。いずれにしても、さすがにMac OS向けの機能は手軽に使えるようにはなっているということだ。 もし、単にファイルサーバとしてとりあえず使いたいのなら、まずはユーザ登録を行う。もちろん、Server Adminを使ってユーザを登録するのだが、この方法は概略であるが、2001年6月19日に配信した、このコーナーの「Browsing Mac OS X》Mac OS X Server 10.0ってどんなの?〜ユーザ管理を垣間見る」という記事を参照していただきたい。ファイル共有といってもいろいろな状況と設定状態があるかと思うが、今回の記事ではごくごく基本的なところにとどめる。単にファイルを共有したいのなら、ユーザを定義の「一般」の設定だけでいいだろう。
Server Adminの「一般」タブにある「共有」のアイコンから、「ディスクと共有ポイント」のメニューを選択してみよう。すると、サーバに存在するディスクの一覧と、「共有ポイント」として、すでに公開されているフォルダの名前が表示される。最初は、PublicとUsersという2つの共有ポイントがすでに存在するはずだ。これはデフォルトで公開となっている。(なお、Macintosh Managerを稼働させると、さらに1つのデフォルトの共有ポイントが増える。)
◇最初からPublicとUsersフォルダが公開されている
まず、ここでUsersは、起動ディスクのUsersフォルダを公開したものである。つまり、サーバに登録したユーザのホームディレクトリは、最初から公開対象になっている。ただ、単にそこを使うというよりも、いくつかの機能を組み合わせて効果的な使い方ができるのだが、これについては回を改めて説明をしよう。 一方、Publicは、起動ディスクのShared Itemsフォルダの中にあるPublicフォルダを公開したものだ。このフォルダの中には最初はなにもない。なお、Mac OS Xにはなかったフォルダであることもお気づきだと思う。このフォルダは、名前からしても「みんなで共通に使う領域」として用意されていると考えればよいだろう。ただし、最初に設定されているアクセス権では使えないわけではないのだが、思った通りの動作にならないかもしれない。共有ポイントの一覧でPublicを選択して、「アクセス権」ボタンをクリックすると、その公開フォルダのアクセス権を設定するダイアログボックスが表示される。オーナーがrootで、グループがnobodyとなっているが、実際に使うのなら、素直にここでのアクセス権を変更することが基本となるだろう。 ここで、「みんな」に相当するユーザが全員含むグループを定義しておき、そのグループを、アクセス権の「グループ」に設定すればよいだろう。オーナーは適当に、管理者に対応したものにしておけばいいだろう。こうすれば、みんなでファイルの読み書きができる。もちろん、読むことしかできないようにするなどの配慮が必要なら、その限りではないが、グループを定義してそれを設定するのが1つの考えられる素直な設定だと言える。なお、オーナーやグループは、これらの一覧表示ウインドウからアイコンをドラッグ&ドロップして設定を経こうできる。設定変更後は、忘れないで「保存」ボタンをクリックしておこう。