ところで、ファイル名のやりとりについて簡単にまとめておこう。WindowsもMac OS Xも256バイトまでのファイル名に対応しているので、ファイル名の長さについては気にしなくてもいいという状況になっているが、Mac OSでは31バイトという制約がある。サーバ上に31バイト以上の名前のファイルがある場合には、Mac OSのクライアント側からは同じファイル名では見えなくなるので、そのあたりは注意が必要だ。ちなみに、31バイトをこえるファイル名についてはMac OS側からは、31バイトに切り詰められ、拡張子を除く末尾に#2345みたいな番号がついたファイル名に見える。 ファイル名の制約については、どちらかと言えば、WindowsよりもMac OS Xのほうが緩い。Mac OS Xの側で、コロンやスラッシュのついたファイル名のファイルは、Windowsクライアント側では、まったく違った名前に見える。昔の形式の8+3バイトの形式に縮められたファイル名で表示されるようになってしまう。その意味では、Mac OS Xで保存した時の名前が必ずWindows側でも同じように見えるとは限らないことは頭にいれておく必要があるだろう。このあたりは、種類の異なるOSが混在しているところでは、運用を工夫するなどして、とにかく対処しなければならない。
ところで、Mac OS X Serverが発売される以前に、SambaがMac OS X 10.0で機能しないかを試して見たことがある。その結果はローカスから出版されている「Mac OS Xパワフル導入ブック」でも大津さんが紹介しているが、筆者も実際にインストールしてテストをしてみた。そのときには日本語版として配付されているSamba 2.0.7を使ってみたのだが、濁音を含むファイル名がWindows側で表示されないという問題もあり、完全に使える状態でないという結論を得た。そうした状況でMac OS X Serverが発売されたのだが、そうしたファイル名の問題は見られない状態でとにかく安心したものである。 ちなみに、smb.confファイルを見ると、client code page = 932、coding system = utf8という設定が見られる。coding systemはサーバ側のファイル名のコーディング規則を示すもので、もちろんUNICODEのUTF-8に設定される。client code pageはクライアント側のファイル名の記述に使われる文字コードで、932は日本語Shift-JISを意味している。