タイトル | Browsing Mac OS X》Mac OS X ServerでPHP4を動かす | カテゴリー | Mac OS X Server, サーバー製品, Browsing Mac OS X |
作成日 | 2001/7/11 14:16:40 | 作成者 | 新居雅行 |
PHPはオープンソースの世界では有名なソフトウエアだ。HTMLの中にスクリプトプログラムを埋め込むことを可能にする。Webサーバでスクリプトを含んだHTMLファイルを取り出した時、単にクライアントにファイルの内容を投げるのではなく、スクリプトプログラムをサーバ側で実行して、その処理結果をWebクライアントに戻すのである。つまり、サーバー側で稼動するプログラムをHTMLと統合的に記述ができるという利点がある。プログラム部分でデータベースアクセスを行えば、データベースから取り出したデータを、Webクライアントに対して送信するということができる。プログラムの出力結果をHTMLとして整えることで、Webブラウザ側は特殊なプラグインやあるいはOS環境と必要としないのである。PHPはそうした仕組みを提供するソフトウエアなのだ。 PHPはApacheのプロジェクトとして活動するなど、Webでのスクリプトの中心的な存在となっている。PerlでのCGIは有名だが、PerlはHTMLファイルとは別にプログラムを作成する。PHPだと、HTMLにスクリプトをまぜることができるので、独特の作りやすさがある。また。PHPの言語はPerlにけっこう近い感じのするプログラムだ。もちろん、変数の利用など言語機能としては一通りのものが揃っている。特にデータベース利用ができるということで、PostgreSQLやMySQLといったオープンソースのデータベースエンジンといっしょに使ったWebサイトは一般的に見られるようになっている。 このPHPのVer.4がMac OS X Serverには最初から組み込まれている。Mac OS X ServerにはこうしたWebアプリケーションを作成する素材はふんだんに組み込まれているが、そのうちの1つがPHPだ。他には、WebObjectsのDeployment環境もあるし、Tomcatもある。これらの比較というのも興味あるところだが、別の機会に譲るとして、今回は、PHP4をMac OS X Serverで稼動させるところのごくごく基本的なところを確認したので、その方法をお伝えしよう。 まず、Mac OS X Serverでは、Apacheが最初から稼動している。実は、ApacheとPHPを1からインストールするのは難しいわけではないが、きちんとパラメータを指定してのコンフィギュアが必要となるので「./Configure;make;make install」しか知らない管理者にとっては動かないと慌てることになるだろう。だけど、Mac OS X Serverではとりあえず標準状態では、ApacheはPHPを使えるようにコンパイルされている。そのまま使うのならインストール作業は不要だ。PHP自体はApacheのモジュールとして供給されるが、もちろん、コンパイルされたモジュールが最初から含まれているのである。後は、PHPが稼動するように設定を行えばいいのだが、標準状態ではPHPは使えるようになっていない。Server Adminでそういう設定も見当たらないので、Apacheの設定ファイルをいじることになる。設定ファイルは、/etc/httpdにある。ここにあるhttpd.confがApacheの設定ファイルである。 ちなみに、Apacheの設定ファイル自体は、手作業でいじってもどうやら問題はないみたいである(もしかして支障はあるかもしれないが今のところはそれは見つかっていない)。というのは、実際の設定は、httpd.confだけでなくhttpd_macosxserver.confというファイルも含めて反映される。Server Adminによって変更されるのはどうやらhttpd_macosxserver.confの側だけのようなので、おそらく、httpd.confは自由に変更できるものと思われる。 さて、ルートになってhttpd.confを編集するのであるが、以下の3つのポイントにある設定行の頭の「#」をすべて削除すればよい。#は設定を無効にする記号だが、これら3つの設定を有効にすればいい。編集後、もちろん保存しておく。 <ポイント1> #LoadModule php4_module /usr/libexec/httpd/libphp4.so <ポイント2> #AddModule mod_php4.c <ポイント3> #AddType application/x-httpd-php .php #AddType application/x-httpd-php-source .phps そして、実験をしてみよう。以下のような簡単なスクリプトを含んだファイルを、Webサーバで公開しているディレクトリに保存する。以下の内容で、ファイル名をたとえば「test.php」とすればよい。ちなみに、Apacheは拡張子が.phpのファイルだと、その中に含まれたスクリプトプログラムを実行するようになっている(それが、前記のAddTypeの設定である)。 Output of phpinfoPHPのプログラムは、phpinfoという関数を実行するだけだが、この関数は非常によくできていて、PHPの実行環境について極めて詳しくいろいろな情報を表示してくれる。以下は実行例だ。Webで公開しているディレクトリのルートにtest.phpを作成したので、「http://ドメイン名/test.php」で、上記のPHPプログラムを実行できるのである。 ◇PHPのテストプログラムを実行した結果 まず、PHPのバージョンは4.0.4であることがわかる。ちなみに最新版は4.0.6である。この表示結果を見るといろいろな情報があるのだが、MySQL Supportのセクションも表示されるので、MySQLのサポート機能はどうやらMac OS X Serverでは何もしなくても利用できそうである(実際にデータベースには接続してテストしたわけではないが)。 PHPを動かすとなると、いろいろ調べてみたいことはやまほどある。日本語の文字コードの扱いはどうなのだろかとか、いろいろあるわけだが、今回はとりあえずPHPを動かす方法だけとなってしまった。また、機会があれば、詳しく調べて結果をお知らせしたい。動かすだけなら簡単なようなので、読者の方々でチェックした結果をお知らせいただければそれも併せてお届けしたいと思う。 ところで、PHPのメリットの1つとして、日本語での情報がしっかりしているということがあげられる。「日本PHPユーザ会」という組織もあり、活発に活動を行うと共に、日本語に翻訳されたマニュアルもサイトで参照できるようにもなっている。以下のサイトから、おおむね必要な情報はほとんど得られるかもしれないので、ぜひともチェックはしてほしいサイトだ。また、最近では書籍も数多く出版されているため、とにかくPHP関連の情報が多いと言うのは1つの安心材料でもある。 ◇日本PHPユーザ会 http://www.php.gr.jp/ | |
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