タイトルMacworld ExpoでMac OS X 10.1や新しいPowerMac G4が発表カテゴリーイベント
作成日2001/7/19 0:15:54作成者新居雅行
2001年7月18日に、ニューヨークでMacworld Expoの基調講演が開催され、AppleのCEOであるスティーブジョブズ氏が講演を行った。そこで明らかになったことをまとめておこう。
まずは、Mac OS Xのアップデートが2001年9月に行われる。Ver.10.1というバージョンがリリースされ、現行の利用者に対してはフリーでアップデート可能だ。10.1での変更点は、まずはパフォーマンスが向上することで、起動やメニュー選択、ウインドウのリサイズ、ログインといった処理がより短時間で済むようになる。実際にInternet Explorerが素早く起動するデモなどを見せた。また、DVDプレイヤ機能が利用できるほか、FinderでのCD-RWドライブを利用したディスクへの書き込みが可能になる。さらにプリンタの対応機種も広げた。そして、AppleTalkによるAppleShareサーバの接続や、SMBクライアント(Windowsネットワークのクライアント機能)も含む。ユーザインタフェースにも手を入れており、メニューバーの右端には時計しかなかったのが、ボリュームの変更などいくつかの機能を持ったアイコンが加わった。
ハードウエアのラインナップの変更は、まずiMacだ。CPUはG3のままだが、クロックは500、600、700MHzの3ラインナップとなった。それぞれ、価格は$999、$1299、$1499となっている。いずれのモデルもCD-RWドライブ搭載だ。ブルーダルメシアン、フラワーパワーといった柄物はなくなり、インディゴ、グラファイト、スノーホワイトといった地味なカラーリングとなったのがいちばんの特徴かも知れない。スノーホワイトは復活したカラーとなる。
一方、ハイエンド向けデスクトップのPower Mac G4は、クロック周波数が733、767、Dual 800MHzの3つのラインナップとなった。従来の最高クロックである733が、最低性能となった点では進化は早いものの、1GHzをこえるCPUを搭載したマシンは出荷できなかった。もちろん、1.7GHzのPentiumマシンとベンチマークを行って、867MHzのPower Mac G4の方がアプリケーション上では高速であることをアピールするなど、クロックの数字では判断できないことをアピールしていた。また、筐体の形は同じだが、全体的に銀色がかった色使いのデザインに変更された。「Quick Siliver」とデザインにネーミングしている。733MHzマシンがCD-RWだが、残りの2機種はSuperDriveを搭載している。
ノートパソコンのラインナップについての変更は発表されなかった。いずれにしても、iMacの奇抜なカラーはそれほどの支持がえられなかったのか、ラインナップから消えた。そして、Power Mac G4は、今現在のMacintoshユーザの中心層でもあるプロフェッショナルが使うマシンだけに、性能は可能な限りアップするという方針が感じられる。また、デュアルプロセッサマシンを最上位に位置付けたのは、Mac OS XでのOSレベルでのマルチプロセッサ利用が可能である点が大きく影響していると言えるだろう。

DVDオーサリングツールのiDVDについても、新しいバージョンであるiDVD2についても公開された。モーションメニューなどに対応し、実際の制作についてもデモが行われた。
その他、直営店の成功や新規店鋪の開店をアピールしたり、各社のMac OS X対応アプリケーションを紹介するなど、先行き明るいという話題を、基調講演の冒頭に紹介された。Mac OS X対応アプリケーションとして紹介されたのは、マイクロソフトのOffice、アドビのIllustrator、QuarkXPress、ファイルメーカーPro、Virtual PC、IBMのViaVoice、WorldBook、ゲーム2種類、Mayaといったところだ。一部にすでに発売済みのものもあるものの、多くが「これから出荷」といったところに、現状ではネイティブアプリケーションはまだまだ揃っていないという点が逆に強調されたかもしれない。
いずれにしても、大きなニュースとしては、Power Mac G4のラインナップ強化と、Mac OS X 10.1ということになるだろう。Macintoshのコンシューマ市場への食い込みはもちろん、iBookなどで行うことは考えているだろうが、今現在、もっともニーズがあり、かつ収益に結びつきそうなのはプロフェッショナルマーケットであることは十分考えられる。結果的には新しい内容については地味なものとなったかも知れないが、Appleとしてできる最大限のものはこれらということだろうか。今年に入ってから、コンシューマ層が薄くなるなどMacintosh市場にある種の変化を感じるが、その変化に対する明確な答えとなるかどうかは、まだ観察が必要だろう。
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