タイトルBrowsing Mac OS X》Mac OS Xのユーザインタフェースをどう使うか〜Dockを考える(2)カテゴリーユーザインタフェース, Browsing Mac OS X
作成日2001/8/23 16:22:16作成者新居雅行
ところで、Dockにはアプリケーションだけでなく、文書やフォルダまでも登録できる。もちろん、文書をすぐに開いたりできるが、フォルダをすぐに開くことができるのはすごく便利だ。たとえば、DocumentsフォルダをDockに登録しているのだが、そうすれば、Dockのアイコンをクリックすると、即座にDocumentsフォルダが開く。また、LibraryフォルダのFavoritesフォルダを登録しておくと、お気に入りに登録した内容を即座に呼び出せて便利である。(ところで、お気に入りは専用のドック用書類とか、アップルメニューにあった方が便利だとも思う。)
また、Dockにあるフォルダ項目のDocklingメニューは、フォルダの場合、そのフォルダの中身の一覧になる。だから、ウインドウとして開くまでもなく、フォルダの中にある特定のファイルはDocklingメニューの項目から選択すれば良いのである。また、フォルダだとそこから階層メニューになる。ただ、この機能はあまり使っていない。というのはメニューの応答が悪いからだ。Docklingメニューが仕様としてすぐには出ない上に、フォルダの一覧作成ないしはメニューの構成に時間がかかるようで、レスポンスが悪い。むしろフォルダのウインドウを出してナビゲートした方が効率的に感じるのである。

◇「よく使う項目」に対応するフォルダをDockに登録した
 

Mac OS XではMac OS 9のポップアップフォルダがなくなったものの、Dockに入れたフォルダがその代わりになるかと期待されたが、応答が悪いことに加えて、アルファベット順の一覧しか出ないことも少し残念だ。Docklingのメニューの中身が、Finderで見えるフォルダのウインドウそのままなんてことは可能だったらむしろその方がいいとも考える。また、ポップアップフォルダは、ポップアップしたフォルダ内のアプリケーションに開くファイルをドラッグ&ドロップできたけど、Docklingでは出てくるメニューの項目にドラッグ&ドロップができないなど、やはりポップアップフォルダのテイストを実現するには至っていない。

Dockのアプリケーションの項目に、文書ファイルをドラッグ&ドロップして開くことができるのは非常に便利だ。もちろん、ワープロなどのアプリケーション独自の文書を使うことが多いとそうした作業は少ないかも知れないが、やはり筆者の場合、仕事上、作成するものはテキストファイルやJPEG、TIFF、PNGといった汎用画像ファイルであり、時と場合によって処理するアプリケーションを使い分けたい。そういった使い方にはDockほどかっこうのユーザインタフェースはないと言えるだろう。また、登録した項目はエイリアスで管理されているようで、後からアプリケーションのフォルダを移動したくらいでは、基本的にはアイコンとの対応は途切れない
ちょっとしたTipsになるが、どんなファイルでも開かせる方法を知っておくと便利だ。一般にはアプリケーションはすべてのファイルをドラッグ&ドロップ対象にはせず、ファイルタイプや拡張子などで開くことが可能なファイルを制限している。アプリケーションで開くことができないファイルは、Dockのアプリケーションのアイコンにドラッグ&ドロップしてもアプリケーションは反転して反応はせず、そのままでは開くことはできない。それでも、テキストファイルなどを強制的に開かせたいということもあるだろう。そのときは、option+Commandのキーを押したままDockの項目にドラッグ&ドロップを行う。そうすれが、ファイルの種類に関係なく、とりあえずアプリケーションに対して開くように指令が出される。ファイルタイプなどによる制約はそれはそれで混乱を避ける有効な手段だが、ファイルをいろいろと使いたいエキスパートにとっては邪魔な機能と思う時もあるだろう。そのときは、option+Commandでドラッグすればいい。これは、Finderの項目でも同様である。もちろん、テキストしか表示できないアプリケーションにJPEGファイルをドラッグ&ドロップしてもダメではあるが、アプリケーションの機能を把握していたらそれなりにこの機能は便利に使えるだろう。

Aquaのデモで頻繁に行われるのが、ウインドウをDockにしまい込むという作業だ。そのとき、ビローンとウインドウが変型してDockにおさまり、それをクリックすると、またビローンと広がるなど楽しめるアニメーションである(ジーニアスなどと呼ばれているが)。このアニメーションはさておき、開いているウインドウをDockに入れるということをやっているかというと、筆者は実際にはほとんどやったことがない。どうも必要性を感じない。とりあえず表示したくないウインドウがあれば、そのアプリケーションを、アプリケーションメニューの「隠す」ないしはそのショートカットであるCommand+Hを使って隠す。必要になったら、Dockのアプリケーションのアイコンをクリックして呼び出すということで、取りあえずことが足りている。いや、むしろ、アプリケーションメニューの「他を隠す」をよく使う。たとえば、Finderの作業をしたいとか、デスクトップを全部見えるようにした時にはFinderに切り替えて「他を隠す」というメニューを選ぶ。このメニューにCommand+shift+Hのようなショートカットを割り当ててくれると嬉しいなと思う程である。
Dockにしまったところで、確かに縮小表示はされるが、ほとんど何も見えないので、手がかりはウインドウ名となってしまう。ところが、何をやっているかということは、たとえば「MacWIRE原稿.text」というファイルを作っているということはもちろんだけど、「今、Jeditで原稿を書いている」という意識が先に出てしまう。オブジェクト思考じゃない古い考え方だと思われても仕方ないのだが、やっぱりアプリケーションというのが思考の上でも主役になってしまうのである。Dockがアプリケーションとそれ以外で区切られているというのもやはりそうしたイメージを植え付けられる。そういう使い方では、Dockにしまい込むウインドウというものにはニーズがないという感じだ。それに、Dockにどんどん入れると、ますますアイコンが小さくなってしまって、余計にDockが使いにくくなる。やっぱり、Dockにしまい込むボタンを押す気になれなくなってしまう。

Dockは今のところは1列だけだ。ただ、たくさん登録できるとはいえ、どんどんとアイコンが小さくなるので、なるべく節約ぎみにアイコンを登録してしまう。あるいは文書系統はDocumentsから呼び出したりするといったふうになる。いいように言えば、無駄なアイコンでちらかることに陥らないような心理的な防御が効いた仕様だとも言えるだろう。だけど、やはりなんとかならないかと思ってしまう。10.1ではさらに右や左などより領域の少ないところに配置することになり、アイコンはより小さくなるだろう。要望的には、一定数のアイコンをこえると、やはり2段3段と並ぶようにしてもらいたいと思うところだ。もちろん、最小サイズなどはカスタマイズできるようにしてほしいところだ。また、ある段数、たとえば3段を越えるとスクロールするようになるとか、さらにあまり使っていない項目を削除しませんかなどと提案する「Dock整理アシスタント」なんてあればいいかなとも思ってしまう。ちょっと重箱のすみっぽい話だが、改良の余地はまだまだあると言えるかも知れない。
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