タイトルマクロメディアがアプリケーションサーバのColdFusion Server 5の日本語版を発売(1)カテゴリーサーバー製品
作成日2001/9/11 14:7:3作成者新居雅行
2001年9月11日、マクロメディアはアプリケーションサーバの「Macromedia ColdFusion Server 5」の日本語版の発表会が行われた。記者会見でのプレゼンされた内容をお届けしよう。今回のColdFusionはMac OSやMac OS X対応はされていないものの、Webアプリケーション開発という点では数多くのユーザがいる注目できる製品でもある。(以下は、基本的にプレゼンテーション等で話された内容を列記している。)
最初に、マクロメディアの代表取締役社長の坂口城治氏より話があり、先日買収したAllaire社関連製品の最初のリリースとなることを説明した。そして、デザイン、開発、配信、表示という4つの「D」にカテゴリー分けして製品系列を整理している。ColdFusionは配信(Deliver)を行うためのシステムである。ColdFusionは短期間での立ち上げが可能で、メンテナンスが容易であることが特徴である。従来、Allaire社の製品を扱っていたアイ・ティ・フロンティア社(シリウス社などが統合された)からも販売が行われることも紹介した。シリウス事業部長の牧野国嗣氏よりの挨拶も行われた。さらに坂口氏は、データベースとWebは統合している必要があることを強調し、短期間でサイト構築ができる点を強調し、販売目標は今年度で4500本であると紹介した。
続いて、Macromedia社のColdFusionのディレクターであるJess Whatcott氏より製品の紹介が行われた。アプリケーションサーバに対するユーザのニーズとして、インタラクティブ性やプロジェクトの増加、開発者の確保、コスト削減、パフォーマンスと信頼性ということがあると紹介した。ColdFusionはそうしたニーズをすべてみたすとし、短期間での修得や開発、ソリューションを提供でき、さらにパフォーマンスと信頼性があるものだと説明した。ColdFusionはCFML(ColdFusion Markup Language)で記述された.cfmファイルで利用し、Webクライアントからアクセスがあると、ColdFusionサーバがデータベースやオブジェクト、あるいは他のシステムデータを取り出し、HTMLを組み立てる。HTMLを知っていれば、CFMLはすぐに学習できることを顧客にはよく説明しているが、HTMLにCFMLを追加することで簡単にデータベースからの取り出し結果を表示できることを示した(CFMLはタグ形式で記述し、HTMLの拡張のような形式となる)。また、CFMLとASP(Active Server Pages)やPHP、JSP(Java Server Pages)とのコードを比較し、CFMLの方がシンプルに短くコードが終わることを示した。そしてサーバアーキテクチャを示し、マークアップ言語の下にサービス提供を行うエンジンがあり、さらにその下にシステム機能を利用するものがあり、そしてPCや携帯電話、PDAなどからのアクセスが可能となっている。各種メディアからさまざまなアワードも受賞している。ColdFusionの市場規模についての説明が行われた。ColdFusionの開発者数は30万人と推定しており、Web開発者の20〜25%はColdFusionを試用経験がある。サーバは125,000本出荷し、1100万ページがWeb上に存在し、2000以上のソリューションプロバイダがあって、300以上のユーザグループがある。ダイナミックページテクノロジーの利用状況のシェアとして、ASPが66%、CFMが26%、PHPが7%、JSPが1%として、検索エンジンからの調査結果も示した。
ColdFusion Server 5の新機能の紹介に移った。バージョンアップでは開発者の要望に応えるために生産性の向上、管理の容易さ、高いパフォーマンスを実現することを目標としている。まず、ユーザ定義ファンクションに対応し、コードの再利用性を高めた。そして、SQLデータベースだけでなく、LDAPやPOPからもクエリーができるようになり、いずれもレコードセットとして扱われ、統合しても利用できる。さらに、グラフの生成や表示を行うエンジン、サーチエンジンが組み込まれ、Crystal Reports 8との統合が行われた。開発ツールとしてはコードエディタを中心としたColdFusion Studioと、サイトデザインが可能Dreamweaver UltraDeveloperが利用でき、ステージごとに使い分けることができる。新しい機能としては、アプリケーションサービスとして展開ができることを説明した。アプリケーションのデプロイメントではさまざまなファイルをサーバに移動する必要があるが、それをアーカイブファイルに1つにまとめてサーバで利用できるといった機能である。さらにアプリケーションの監視などの機能もWebベースで行えるなどの機能アップとなっている。そしてメモリ管理を向上し、ボトルネックも排除して、Solarisでは1.5倍、Windows 2000では3倍のパフォーマンス向上を実現した。ColdFusionにはProfessionalとEnterpriseの2つのエディションがある。ProfessionalはWindowsのみでODBC接続のみとなっている。グラフエンジンのキャッシング、ロードバランサー、高度な管理機能、サーバサンドボックスセキュリティといった機能はEnterprise版だけであり、検索ドキュメントのサイズにも違いがある。小規模なサイトではProfessionalを勧めている。
続いて、マクロメディアのプロダクトマーケティングマネージャの阿部成行氏より、実際のデモンストレーションが行われた。これまで多くの顧客と話をしてきたが、デザインと開発の切り分けが重要なポイントであることが説明され、そうした枠組みをマクロメディアで提供できることを強調した。そして、WebベースのColdFusionの管理ツールを起動しつつ、オンライン販売サイトを作成するデモが開始された。ColdFusion Studioを起動し、スタティックなページのHTMLを開く。そして、ヘッダ部分を削除し、スニペットというソースコードの固まりを管理する機能を使って、CFMLのタグをページに追加した。拡張子をcfmに変更して保存をする。ページの中にあるFlashコンポーネントキット(フリーでダウンロード可能)を利用したナビゲーション機能についても紹介された。続いて、ColdFusion Studioでのデータベース接続が説明された。接続したデータベースの中身が表示され、データベースのテーブルをブラウズし、右クリックのメニューからクエリビルダが起動され、Accessなどのクエリ設計画面と同じような機能を利用して、SQLステートメントを構築した。SQL文の実行などもその場でできる。そしてクエリを作成するとアイコンが作成される。そのアイコンをHTML編集画面にドラッグ&ドロップすることで、クエリーを行うCFMLのタグが生成される。取り出したデータを表示するソースもスニペットの機能を使って組み込む。そうして、Webページにデータベースから取り出した内容が表示されるようになった。さらに検索を行うためのカスタムタグを1行追加するだけで、検索機能をWebページに追加することも示した。さらに検索結果のページのカスタマイズも行った。検索結果からさらに別のデータベースを参照し、それらを含めて検索結果のページが表示されることを示した。また、Webページにデータベースから取り出したデータを元にグラフを作成するデモも行われた。チャートはFlashのコンテンツとしても作成でき、マウスに反応したりリンクの設定などもできることが示された。
(続く)
関連リンクMacromedia ColdFusion Server 5