タイトルiPod、iTunes 2、iDVD 2についての説明会が開催(1)カテゴリーメディア制作, メディアプレイヤ
作成日2001/11/1 18:39:53作成者新居雅行
2001年11月2日、アップルコンピュータは、新発売される携帯オーディオプレイヤのiPodと、プレイヤアプリケーションのiTunes 2、そして発売されたiDVD 2に関するプレス向け説明会が開催された。(以下は講演者の話として記述する。)まずは、マーケティング本部長の大宮哲夫氏の話から始まった。久々に新しいカテゴリーの商品の発表となるが、新しいイノベイティブな商品となるものである。コンピュータの歴史として、文字だけの時代、グラフィカルユーザインタフェースによるデスクトップパブリッシングの発達、さらにここ3〜4年のインターネットの波があると説明した。そして次の大きな波になると考えたのが、デジタルライフ、デジタルハブというコンセプトである。身の回りにはデジカメ、ビデオ、携帯電話などたくさんの種類のデジタル機器がありそこにデータが保存されている。こうした機器を単独で使うのでは使いにくい面があるが、パーソナルコンピュータの存在によって使いやすくなる。また、再生専用だった機器が、自分でコンテンツを作るという方向にも向く。こうした使い方を促進するために、iTunesなどのアプリケーションを開発してきたが、デジタル機器側がコンピュータを考慮して動いているわけではない。そこで、デジタル機器についてももっといいものが作れるなら作りたいということで、音楽プレイヤを作った。すでに発表されて、好評でもあるが、MP3プレイヤとしては高いという声もある。しかしながら、iPodは新しいカテゴリの機器であり、従来の機器と比べるのは自転車とバイクを比べるようなものでもあってあまり意味はない。そして、新しい機器でのリーダーシップをとりたいと考えている。
続いて、マーケティング担当の柳原友明氏よりの製品についての説明に移った。Appleはデジタル機器の中心にMacintoshを据えることでのデジタルハブというコンセプトを提唱している。Macintoshと親和性の高いiPodというミュージックデバイスを発表した。まず、ミュージックライブラリの1000曲がポケットに入る。そして、縦横10cmと6cmで厚さが2cm、185gのサイズの実物を見せた。表の白い部分はポリカーボネート、裏はステンレスで鉄の2倍の強度となっている。CD品質で160kbpsの曲を1000曲保存でき、MP3ではなく、AIFFやWAVEなどにも対応している。今までのMP3プレイヤはCD盤1枚程度しか記憶させられないし、MDプレイヤでも80分程度である。MDやMP3プレイヤで1000曲を保管するためのコストを計算した結果を示し、iPodのメリットを説明した。MDだと1.6kgとなり35,000円のコストとなる。MP3プレイヤだと200gだが高いメモリのために350,000円となる。iPodはそうした比較からバランスが良いと強調した。iPodの充電は10時間連続再生ができ、1時間でチャージができる。また、音飛びを発生しないようにするスキッププロテクションは20分もの長時間が可能となっている。そして、iTunesから自動的に曲のダウンロードやなど、つなぐだけでOKというシンプルさも特徴であるとした。スクロールホイールで選択の操作をし、視認性のいいバックライト、日本語を含む多言語対応といったユーザインタフェースの良さも示した。日本語を表示できるMP3プレイヤは少ないが、この機能はぜひ実現したかった機能である。選曲はプレイリストやアーチストによる選択もできる。音質についても力を入れており、ネオジウムトランスデューサーマグネット採用のヘッドフォンを搭載した。そして、FireWireでの接続により、CD1枚を10秒、1000曲の転送も10分で済み、USBの30倍のスピードとなっている。プレイヤにFireWireを採用したのはAppleが最初である。さらに、FireWireケーブルからの充電も可能となり、接続して1時間で充電できる。さらに、FireWireディスクモードにより5GBのハードディスクとしても使える。大容量なので、ファイルの持ち運びにも使えることを具体的に説明した。続いて、接続ポートや操作ポイントを示しながら使い方の説明も行った。オン/オフについては、再生ボタンを長押しすることでできるようになっている。価格は\47,800であり、確かに高いが、幅広い用途を考えれば決して高くないのではないかと提案した。MP3プレイヤとFireWire HDDを両方買うことに比べれば安くて軽く、便利であるので、パソコンを分かっている人は理解してもらえる価格だとした。
続いて、iTunes 2の話になった。新しいバージョンでは、20種類以上のプリセットを装備した10バンドイコライザを装備し、サウンド拡張機能や、曲間の切り替えをスムーズにするクロスフェードの機能が追加した。また、CD作成では、オーディオCDだけでなく、150曲以上が入ったMP3 CDの作成もできるようになった。また、CDDB2からの日本語情報に対応し、Unicodeを対応したことで、文字化けはしなくなった。
そして、iPodとiTunes 2を使ったデモに移った。出荷された製品は最初は言語を選ぶ画面になる。そして、iPodを実際に使って、曲をさまざまな方法で選択するところを示した。日本語の曲ではきちんと日本語が出てくる。再生が始まると、スクロールホイールはボリュームになる。いずれにしても、片手で操作ができる。続いて、曲が入っていないiPodを用意し、Macintoshと接続した。接続を行うとiPodはすぐに充電を始める。Macintoshの側は自動的にiTunes 2が起動する。転送も1曲あたり1秒もかからないくらいのスピードで行われる。また、FireWireディスクとして使用するところも示したが、iTunes 2での関連する設定も示された。iTunesのクロスフェードの機能や、イコライザで自分で新たにプリセットを作成できること、CDDB2対応しているところを見せた。CDDB2では今までのiTunesでは文字が?マークになっていたが、iTunes 2では正しく取り込まれる。
iPodの名称の意味についても説明された。iは今までのiと同じである。Podは「小さくて何かつまっている」という意味で、植物の種などを指すような言葉である。これから、いろんな使い方ができるという可能性も含められたネーミングなのである。最後に、iPodのCMを上映した。また、立方体のiPodのパッケージを見せて、クリスマスギフトに最適な感じで、パッケージングについても凝ったものであることが示された。
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