Runtime Revolutionは、開発ツールの「Revolution 1.1」をリリースした。Revolutionは、HyperCardタイプの開発ツールで、ページにオブジェクトを配置し、プロパティを設定したりスクリプトを記述することで、グラフィックスユーザインタフェースを含むアプリケーションを比較的容易に構築できるツールである。Ver.1.0が2001年7月にリリースされ、Mac OSやWindows、UNIXといったクロスプラットフォームに対応していることが特徴であったが、Ver.1.1となって、Mac OS Xネイティブ対応となった。Mac OS Xでは配置されたコンポーネントのルック&フィールがAquaになる。また、Oracle、MySQL、ODBC経由のデータベースアクセス機能も加わったが、Mac OS X版についてはデータベース機能は近日対応となっている。機能的にはオブジェクトの種類の多いHyperCardと思って良いだろう。スクリプトの言語もHyperTalkにかなり近い感じだ。オブジェクトに対してスクリプトを設定するタイプである。アプリケーション内では、ポインタモードとブラウザモードに切り替えて使える点や、メッセージウインドウがある点などHyperCardとの類似点は多い。また、アプリケーションのオブジェクトを階層的にブラウズすることもできる。オブジェクトのライブラリとして、スクリプトを含むまとまったきのうのオブジェクトを提供する機能や、イメージライブラリの機能もあって、これらはパレットから選択して、カスタマイズしたオブジェクトをカードに付加することができる。単独で実行できるアプリケーションの生成も可能で、複数のスタックをまとめたアプリケーションにも対応しているようだ。また、Mac OS X版を利用していても、68k〜FAT〜Xネイティブなどのさまざまな形式のアプリケーションを同時に作成できる。そして、Mac OS X版からもWindows版のアプリケーションや、UNIX版のアプリケーションも同時に生成できるあたりは便利な点であると言えるだろう。また、機能拡張モジュールもC言語などで作成できるが、これはMetaCardの技術を導入している。スクリプトでは、ネットワーク関連のコマンドなども見られる。ただ、若干の難点は日本語のハンドリングである。コンポーネントのデフォルトフォントはまずまず仕方ないとしても、フォントを変更した場合、挿入ポインタの動きなどはややおかしくなる。日本語として表示できなくはないが、作業が面倒なのと、テキスト編集がやりにくいというところはある。また、Mac OS XでWindows向けに生成したアプリケーションでは文字化けが起こるがこれはOsakaフォントが存在しないからであると思われる。いずれにしても、システムデフォルトのフォントを利用するような形態にならないと日本語の扱いは制約が多いと言わざるを得ない。 ライセンス形態としては何段階かあるが、1つのライセンスは1人に対して割り当てられ、その場合は複数のプラットフォームで同時に使って良いというのが基本となっている。そして、Starter Kit Editionはフリーで利用できるが、これはスクリプトの長さに制限があるだけである。そして、$349のSingle-user Standard Edition、$995のSingle-user Professional Editionがあるが、これらはユーザサポートの違いによるところが大きなポイントだ。有償版は機能制限はない。マルチユーザのライセンスもある。なお、2001年12月15日までなら、HyperCardあるいはSuperCardのユーザは、$199でProfessional Editionの購入が可能だ。ただし、製品マニュアルの表紙ないしは領収書をファクスするなどの所持していることの証明が必要となっている。
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