サン電子から、PCカードタイプのモデム・通信カードをUSBポートに接続するアダプタ「Slipper X」が発売されるが、これはMac OS X対応となっている。2001年12月20日の発売を予定している。Mac OS Xでのモバイルの状況にやっと本格的な動きが出ると言えるだろう。すでにサン電子より、「U-Cable Type D3」という携帯電話とUSB端子から接続するアダプタが発売されているが、これはデータ通信速度が9600bpsであり、制約としてはあまりに大きい。FOMA等があるものの、モバイル利用者の多くは1999年の段階ですでに64KbpsをクリアしているH”、つまりPHS利用者が多いと思われるが、Slipper Xの登場でやっとのことで、Mac OS XをPHSと接続できるという状況になる。対応しているカードはDDIポケットのAir H”、Card H”、NTTドコモのP-in、P-in m@ster、アステルのAN-X1、SIIのMC-6550などとなっているが、対応カードについては以下のページを確認してもらいたい。U-Cable Type D3と同様、Slipper Xも、ソフトウエア自体をインストールするのではない。USB端子を利用したシリアルインタフェースの規格であるCommunication Device Class 1.1(CDC 1.1)に従ったハードウエアインタフェースであり、OS側はCDCに対応した入出力を行うUSBドライバがあってそれを使うということで、通信が行えるようになるということだ。 なお、筆者もいちばん最初のH”対応PHSを購入し、SIIのMC-6550を持っているが、Mac OS Xを使いはじめてからは、Mac OS 9で起動して使うしかないという状況になってしまった。それほど頻繁にモバイルする必要もないこともあって、このところはあまり外出先でモバイルすることは少なくなってしまった。Slipper Xでこれでまたモバイルできるという前向きな話でもあるが、せっかくPowerBook G4を持っていてPCカードが装着できるのにも関わらず、アダプタを購入し、それを持ち歩かないといけないというのはやはりちょっと腑に落ちないところはあるし、スマートではないとも感じる。サン電子としてはこのところはCDC対応品ということで汎用品にシフトしているためこうした製品形態となるのだろうが、USBからPHSに直接接続できるアダプタを期待していたところだ。あるいは、Mac OS Xに、PCカードモデムのドライバが装備されることも一方で期待していたが、Mac OS X 10.1.1でも組み込まれていない。いずれにしても、モバイラにとっての進歩ではあり、時間が解決したことでもあるのだが、待ち時間も長かったと言わざるを得ないだろう。また、今後のモバイルインターネット環境として、どのメーカの電話がいいのかなどとまだ頭を悩ませることになりそうだ。 |