タイトルMac OS Xでのプログラミングを行うときの基本原則を示す文書が公開カテゴリーTechnote, 開発情報
作成日2001/11/27 14:2:23作成者新居雅行
Technical Noteに「Mac OS X Programming Guidelines」と題した文書が掲載された。概要を報告しておこう。まず、バイナリはMac OS Xのネイティブ形式であるMach-O形式で作成する必要がある。そして、top、MallocDebug、fs_usage、sample、leaks、Samplerといったパフォーマンスツールを利用して、パフォーマンスのチューニングを行う。また、マルチタスクで動作していることを配慮し、無駄なループを避け、ユーザが何もしないときにはプログラム上でも何もしないようにする。Carbon Eventを使うようにする。リソースの利用は避け、フラットなファイルを利用するようにする。ファイルには拡張子を付けるようにする。Carbonではファイル処理にFSSpecを使うのではなくFSRefを使うようにして、ボリュームのフォーマットに依存しないようにする。国際化を目指してバンドルを利用したりUNICODE対応のAPIを使うようにする。パスを基調にしたファイルシステムを使うようにする。Cocoaがキラーアプリケーションを素早く開発する手段となる。C++の利用は分別をもって行うこと。
これまでは、さまざまな文書が公開されたが、詳細なものが一般的であり、ガイドライン的な文書はあまり例がなかった。新しい機能を眺めながら、どういう方針を取るべきかを考えることもあったかもしれないが、この文書は、その意味ではMac OS X向けのネイティブなアプリケーション作成においての基本原則を与えるものとなるだろう。拡張子を使うなど、従来のMac OSユーザには抵抗のある箇所もあるかもしれないが、いずれにしても、各項目ごとに、詳細な技術情報をしるした文書へのリンクもあるので、まずは、「この文書からはじめる」ということも言えるようになった。Mac OS Xのプログラミング環境も、混沌から整理される方向に行きつつあることが伺える。
関連リンクTN2034: Mac OS X Programming Guidelines