Technical Noteに「Mac OS X Programming Guidelines」と題した文書が掲載された。概要を報告しておこう。まず、バイナリはMac OS Xのネイティブ形式であるMach-O形式で作成する必要がある。そして、top、MallocDebug、fs_usage、sample、leaks、Samplerといったパフォーマンスツールを利用して、パフォーマンスのチューニングを行う。また、マルチタスクで動作していることを配慮し、無駄なループを避け、ユーザが何もしないときにはプログラム上でも何もしないようにする。Carbon Eventを使うようにする。リソースの利用は避け、フラットなファイルを利用するようにする。ファイルには拡張子を付けるようにする。Carbonではファイル処理にFSSpecを使うのではなくFSRefを使うようにして、ボリュームのフォーマットに依存しないようにする。国際化を目指してバンドルを利用したりUNICODE対応のAPIを使うようにする。パスを基調にしたファイルシステムを使うようにする。Cocoaがキラーアプリケーションを素早く開発する手段となる。C++の利用は分別をもって行うこと。 これまでは、さまざまな文書が公開されたが、詳細なものが一般的であり、ガイドライン的な文書はあまり例がなかった。新しい機能を眺めながら、どういう方針を取るべきかを考えることもあったかもしれないが、この文書は、その意味ではMac OS X向けのネイティブなアプリケーション作成においての基本原則を与えるものとなるだろう。拡張子を使うなど、従来のMac OSユーザには抵抗のある箇所もあるかもしれないが、いずれにしても、各項目ごとに、詳細な技術情報をしるした文書へのリンクもあるので、まずは、「この文書からはじめる」ということも言えるようになった。Mac OS Xのプログラミング環境も、混沌から整理される方向に行きつつあることが伺える。 |