Cocoaでのアプリケーション開発を解説した、「Mac OS Xプログラミング入門 Cocoaはやっぱり!」が広文社より出版された。価格は3,800円で、筆者は、MDOnlineでの執筆や同名のWebサイトでも知られる鶴園賢吾氏だ。Objective-Cでのプログラミングとなっているが、コーディングはもちろん、Interface Builderの使い方を図をしっかり示しながら説明しているのが特徴だ。GUIをベースにした開発環境は、分かっている人からすれば「見ての通り」ですまされてしまい、初心者を遠ざける傾向もあるのだが、本書はそうした心配はない。操作が分かりやすい図で示されると同時に、それが何をするためのものかということが解説されており、最初の1歩から理解するところまでをフォローする。書籍では、メモ帳、画像ビューアといった具体的なテーマで、Mac OS Xネイティブなアプリケーションを作成する。そして、グラフィックスの描画についても詳しく説明されている。Objective-Cの基礎についても簡単に説明されているので、C言語の知識があれば、読みこなすことができるだろう。Cocoaのフレームワークで利用するメソッドなどについては、リファレンス的に利用できるように、引数の説明や戻り値も含めて、きちんと解説されている。これから、Cocoaでのアプリケーション作成をはじめようと思っている人や、Interface Builderの使い方がいま一つ分からないという人など、Mac OS XでのCocoaプログラミングを行う初心者、あるいは中級者までも含めて、しっかり読んでみたい本であることは間違いない。 |