タイトル【MacWIRE配信予定】Mac OS XネイティブなOffice製品に関する説明会が開催カテゴリー文書作成アプリケーション, 各種プロダクツ
作成日2001/12/5 15:6:1作成者新居雅行
2001年12月4日に、マイクロソフトで、次期Office製品である「Micrsofot Office v.X for Mac」の説明会が行われた。説明はマーケティングを担当している仲尾毅氏から行われた。以下は、プレゼンテーションで示された内容をまとめたものである。

まず、日本語版は現在製造工程に入っていると報告があった。前のバージョンはちょうど1年ほど前となっていて、非常に短い期間でのバージョンアップになったが、その経緯の説明から行われた。1984年のMacintoshの発売当初から、Wordなどを発売してきており、AppleとMicrosoftはずっとパートナーの関係であった。そして、新しいプラットフォームに常に対応し続けている。1997年より新しい提携関係になり、Mac向けの開発やマーケティングを行うMacintosh Business Unit(Mac BU:マックブーと呼んでいる)が作られた。今ではホーム製品向けの事業部の中にある。Officeをはじめ、Internet ExplorerやOutlook Expressなども担当している。そして、Mac OS Xが発売されたが、Internet Explorerを発売に合わせてプレビュー版をリリースした。その後のアップデートでファイナル版を提供している。そして、Mac OS Xへの移行にともない、OfficeのX対応を行ってきて、完成した。
開発目標としては、Work Great、Look Greatとして、Mac OS Xらしいアプリケーションに仕上げること、そしてメーラなどのEntourageを飛躍的に進化させること、さらにできるだけ早く市場に出すということを掲げた。製品名は“Office v.X for Mac”となり「オフィステンフォーマック」と読む(ブイ、エックスは読まない)。

引き続いてデモが行われた。新しいOfficeのアイコンを示した。WordやExcelは文字をデザインしたもので、Excelは「X」をデザイン化したものだ。まず、Wordを起動した。ユーザインタフェースはすべてAquaのデザインに基づいている。若干透明なメニューや、アプリケーションメニューの説明をした。ダイアログボックスは800ほどあったが、多くを見直して作り直している。また、アイコンについても700くらいあるものをMac OS Xの画面に合わせて作り直している。Wordではウインドウを分割して文書の異なる部分を同時に表示するところをデモして、既存の機能であるがAquaでより分かりやすくなったと説明した。また、Wordの設定パレットも、ジニーエフェクトに対応している。単にお遊びのアニメーションでなく、パレット表示のボタンを分かりやすくする効果もある。Wordの新機能としては、Commandキーを押しながらの選択で、複数の不連続領域を選択する機能がある。また、検索機能との組み合わせで、検索文字列をまとめて選択することもできる。さらに、書式の消去機能も加わった。
Excelについては、いろいろなプラットフォームで動くが、「いちばん、べっぴんさんに仕上がった」と見栄えの良さを強調した。新しい機能としては、Quartz対応を紹介した。図形の透明度をパレットで設定できるようになり、表と図を重ねて透明度を上げるといった文書作成手順を示した。また、立体円グラフを示し、アンチエイリアスでなめからな曲線になることを示した。3Dグラフでも塗りつぶしパターンに透過を設定したり、グラデーションを設定したりということが示された。
PowerPointについても、透過グラフィックスを使った効果的な画像作成ができることが示された。ムービー保存したものについても、QuickTimeエフェクトが反映されることも示された。また、ムービーを貼付けたプレゼンテーションやサウンドを設定したものはそれぞれが別ファイルになっていたが、「パッケージ」という新しい保存形式を追加して、フォルダを作ってプレゼンテーションの文書や素材ファイルをそこにまとめることができるようになった。また、保存ダイアログボックスもシート対応となっていることを説明した。
Entrourageについても説明された。ユーザインタフェースに変更があり、操作しやすく分かりやすくするため主要機能を呼び出すボタンがウインドウに出てくるようになった。また、ボタン領域を小さくまとめることもできるようになった。予定表も色付けや表示方法などを工夫してみやすくなっており、そこでも、透過したグラフィックスを利用している。メールを作成する場合でも、宛先の指定で入力した文字から前方一致で検索してリスト表示したり、リストからドラッグして設定することができる。メールの中にムービーを貼付けたり、MP3ファイルを埋め込むなどして、それらをメールできることを示した。アドレス帳では郵便番号辞書から住所自動入力もできるようになっている。電話番号を大きく表示したり、地図を表示する機能についても紹介された。

まとめとして、Mac OS Xへの完全対応として、Aqua、Quartz対応、シートやナビゲーション対応ということを説明した。コミュニケーション機能として、Entourage XやMSN Messenger 2.1 for Mac、Officeお知らせでのメッセージと.NET Alert対応、そして互換性としてOffice XPとの文書互換やAppleWorks文書の読み込みやFileMaker Proデータベースとの連係が説明された。
製品のアップグレード版は、アップグレード製品がインストールされているかをチェックするようになっている。また、ネットワークチェックにより同一IDの製品がないかどうかをチェックするといった動作も行う。パッケージについてもユニークなデザインとなっている。発売は2002年1月25日(金)を予定している。価格は通常版が54,800円、バージョンアップグレード版は28,000円、アカデミックパックは22,800円tなっている。また、発売までのキャンペーンはすでに開始されている。また、Office 2001ユーザを対象に、完全予約制で「Office v.X特別アップグレード版」が15,800円で提供される。2001/12/5〜2002/1/24までの間に申し込む必要がある。

ひととおりのプレゼンテーション後に行われたQ&Aは以下の通りで、仲尾氏に加えマイクロソフトプロダクトディベロップメントリミテッドのマッキントッシュ開発グループに所属する井上久留巳氏、林栄太氏も回答に加わった。

Q:Mac OS Xで入力可能な文字のすべてに対応しているのか?
A:文字入力についてはOffice 2001と変わりない。
Q:Windows Media Playerは一緒にインストールされるのか?
A:パッケージの中、Value Packに入っているて、別途インストールする。
Q:Windows Media Playerでは認証の必要なコンテンツも再生できるのか?
A:その辺りの詳細は申し訳ないが今は分からない。実は、Windows Media Playerだけは別のチームが開発している。
Q:MSN MessangerやWindows Media Playerはフリー配付するのか?
A:フリー配付する予定となっている。
Q:マクロの作成でREALbasicを呼び出すような機能となっているが、意図や目的は?
A:REALbasicの評価版がOffice v.X for Macに同梱されている。REALbasicの製品版はユーザが購入して利用してもらうことになる。Macの世界ではREALbasicを使っているユーザが多いので、サポートをした。なお、VBAの統合開発環境も利用できる。つまり、マクロの開発環境は2本立てでサポートする。
Q:ライセンスについて。アップグレードすると、Mac OS版のライセンスはなくなるのか?
A:Office 2001とOffice v.Xの併用は許諾している。
Q:同一ネットワークに同じIDのものが置けないという認証を行うようだ。Office XPは2台までインストールはOKだが、Mac版は?
A:インストールは2台にできる。同時には起動できないだけである。
Q:Palmとの連動はどうなっているか?
A:Office 2001の英語版はPalm連動していたけど、日本語版についても搭載のニーズがあった。日本語版については楽観的な見通しをしていたが、結果的にリリースはできない状態となっており、その点は混乱させてしまって申し訳ないと思っている。理由はいろいろあるのだが、技術的な問題で実現できなかった。ニーズが多いことは認識していてぜひ実現したいとは思っている。ただし、現状ではMac OS XとのPalmのやりとりができないのということもあるので、できるようになってから具体的に考えている。
Q:Windows版のXPの機能を包含しているのか?
A:Office XPでの先行機能も入っているし、Mac版独自の機能も追加している。基本的にはOffice v.Xは、Office 2001のコードをCarbon化することが大きな目的となっている。なお、Windows版は企業ユーザを大きなターゲットにしているが、一方のMacBUはMSNの中の部門であり個人ユーザを重視したものとなっている。同じOfficeという名前であるがMac版はWindows版の機能をフォローする立場にはなく、Mac版は独立して開発している。
Q:Mac OS 9向けのOfficeは今後はバージョンアップはあるのか?
A:「わからない」というのが正直なところだ。状況を見る必要がある。
関連リンクMicrosoft Office v.X for Mac