「Aquaユーザエクスペリエンス」としてStephen Chick氏から講演が行なわれた。Aquaを採用する利点として、ユーザにとってはソフトウエアの修得、作業効率などを挙げた。デベロッパにとっても、サポート負担の軽減などが挙げられた。 Aquaに対応するということに対して必要となる10項目を紹介した。
1)Aquaを採用するには、Cocoa/Carbon/Javaのいずれかのフレームワークを使う 2)高品質なアイコン(詳細は以下に記載) 3)Dockの位置を配慮して、ウインドウがDockにより隠さないようにする。また、Dockをクリックしたときにウインドウを表示する(書類ベースのアプリケーションで、書類が1つもないなら、Dockのクリックで新規ウインドウを開くとか、最小かされた最後のウインドウを開くといった配慮が必要) 4)レイアウトガイドラインに従ったオブジェクトの配置を行う。Interface Builderではガイドラインを表示する。(ダイアログボックスやメニューについての実例で説明された) 5)決められたディレクトリにファイルを保存する 6)Appleヘルプを利用したヘルプを作成する(HTMLで作成できる) 7)ウインドウレイヤーモデルを考慮する(アプリケーションに関係なく、ウインドウが重なる) 8)シートを使う(シートはウインドウ単位のモーダルなインタフェース) 9)ヘルプタグ(ヘルプボタン)として標準的なものを使う 10)一貫性を保つ(標準ダイアログ、カラーピッカーやフォントピッカー、アプリケーションのバンドル化)
アイコンデザインについての哲学が紹介された。Previewのアイコンが紹介されたが、写真とイラストを元にしている大きな画像の元データがまず示された。デザイン自体がリアルで感情がこもったものであることが紹介された。ストーリ性についても説明され、海に行ったときの子供の写真をルーペで見るといったストーリがアイコンに込められていると説明された。感情に訴えることで、言語などにとらわれないでユニバーサルな表現ができる。 いろいろなデザインのアイコンがるが、正面からの画像と斜めになったデザインにわけられる。「ユーザアプリケーション」ジャンルとしては、従来のひし形アイコンに敬意を表し、斜になった書類を基調としたデザインになっている。メディアのエディタやビューア、日常的に使い、ビジネスやエンタテインメントに使われるものがこのジャンルに入る。デザインは遠近感をつけて鮮やかな色にして、ダブルクリックしたくなるようなデザインにした。そして、メディアと道具の組み合わせでデザインしている。机の上に書類があって、斜め上にあるカメラからの目線に従ったデザインとなっている。Palmなどの例で、ブランドを生かしたデザインもありうる。 一方、「ユーティリティアプリケーション」ジャンルとして、メディアの処理や管理ツールなどのアイコンについて説明された。遠近感は出さないで、モノトーンにして、まじめな雰囲気を出している。棚にものが乗っているというイメージでデザインされている。 書類アイコンは、従来のDog ear(右上が折れている状態)に敬意を表して、その基本形を使い、アプリケーションとの関係を示すグラフィックスを入れて、ラベル付けを行っている。環境設定のファイルは、システム環境設定のスイッチと、アプリケーションのキーとなるグラフィックスを組み合わせている。 ツールバーのアイコンについても、シンプルで遠近感は出さない方針で設計された。また、サイズが小さいので全体的なフォルムをもちいて判別できるようなデザインが取り入れられていると説明された。 |