アップルの担当者からの一通りの講演が行なわれた後、ADC(Apple Developer Connection)の説明や、今後行われる大きなイベントについての呼び掛けも行われた。まず、2002年3月21日〜23日には、東京ビッグサイトで、Macworld Conference & Expoが行われる。また、サンノゼで毎年行われている開発者向けのイベントであるWWDC 2002については、2002年5月6日〜10日の日程で行われることが紹介された。 続いて、Apple ComputerのWorld Wide Developer Relations Partnership Management DirectorであるShaan Pruden氏より話があった。米国のデベロッパ支援業務の責任者である。今回のMOSAのセミナーを、アメリカで行われているMacHackのようなイベントの雰囲気を感じるとし、大きな成果を期待していると話した。また、WWDC 2001では日本からは200人ほどの参加者があったが、来年のWWDC 2002にもぜひとも参加してほしいと締めくくった。
続いて、これまでのセッションに関するQ&Aが行われた。なお、質問内容が込み入っているだけに、テキスト上では誤認している箇所があるかもしれないので、間違いがあれば、ご指摘頂ければと思う。
Q:拡張子を間違えてしまった場合の警告が出るがその情報はどこから得ているか? A:Info.plistを調べている。
Q:拡張子についてのユーザインタフェースについて、手本になるアプリケーションは? A:ない…。TextEditはいろいろ癖があるのでお手本にならない。NSDocumentは自動的にフラグが立つ。この件についてはもうすぐTechnical Noteが出るので、それを参照してもらいたい。
Q:拡張子が12バイト以内とあるけど、勝手にいいのか? あるいはクリエイタなどのように管理はされているか? A:今、用意はしている。クリエイタの登録のようにすると思われる。ただ、UNIXやWindowsのファイルもあるので、管理したところで意味があるかどうかは未知数である。
Q:Carbonについて。Mac OS 9でも動くのが多いのか? A:いちがいには言えない。ビルドも別々にするのは負担ではないと考える。
Q:PackageMakerでのアンインストールはできるのか? A:サポートされていない。
Q:Mac OS Xではデベロッパが各バージョンを保持するのが大変。また、バージョンごとにインストールのプロセスを切り分ける必要も出ている。 A:バージョンごとの違いがあるのなら、サードパーティから出ているインストーラ作成ソフトも検討してはどうだろうか。
Q:アップデータのサイズが大きいので気軽にアップデートできないため、古いバージョンを使っているユーザもいる。アップデートを促進させるためにはCD-ROM、雑誌添付などがいいのでは? A:要望としていただいておく。
Q:CarbonでAppleTalkを使うアプリケーションを作っているが、同じアプリケーションが9では動くけどXでは動かない。 A:ネットワークの担当者がいないので分からない。
Q:OS起動時に起動するものはPackageMakerで作成できるか A:できる。ただし、シェルスクリプトを作成する必要がある。
Q:パッケージでは、Mac OS 9向けの別バイナリを供給することができるのか? A:できるが、Mac OS 9より後のあるバージョンからしかサポートしていない。Mac OS 8.6ではサポートしていない。
Q:パッケージに関するドキュメントはないのか? A:Inside Mac OS X: System Overviewを見てほしい。
Q:CFMのCarbonアプリケーションでスクリプトが切り変わらないことがある。 A:plstリソースを指定すればできるはずだが、シングルバイナリの場合にはだめかもしれない。パッケージだとうまくいくはず。
Q:JavaのAWTを使ったアプリケーションでは、フォントを設定しないと日本語が表示されない。 A:この点については認識をしており、アップデートで対応する予定だ。
Q:FSSpecからFSRefに移行しているが、API自体がFSRefにすべて移行しているわけではなく、FSSpecが必要になるものもある。また、CFURLに1024バイトの制限があるが問題ないのか? A:FSRefは今後もなくならないはずである。FSSpecとFSRefの使い分けは、その後に何をするかによって決まってくるのではないだろうか。
Q&Aを切り上げた後、2台のバスに分乗して、神奈川県葉山町にある湘南国際村センターに向かい、初台を後にした。 |