アドレス帳も基本部分には大きな変化はないが、住所の左側のところをクリックしてメニュー選択を行えば、MapFanのWebサイトにアクセスして、その住所の地図を表示するという機能を埋め込んでいる。これは便利に使えるだろう。ちなみに、MapFanは住所や郵便番号からの検索を誰でも自由に使える。使えるというのは個人的に検索できるとういことではなく、自分のサイトやソフトウエアに組み込むことができるのであり、いちおう無料ということになっている。実は筆者も郵便番号検索サイトで検索結果から地図にリンクするということをMapFanより許可をもらって行っている。
◇アドレス帳でのデータ参照の画面 ◇アドレス帳からメニュー選択して、MapFanの地図にアクセスした
メモや仕事は特に説明の必要はないだろう。メモは単なるメモであるが、仕事は期間があるものやアラームを設定したいものに使える。スケジュールには入れたくはないけどアラームは鳴ってほしいというのは仕事に入れるということもできる。もちろん、いつまでにレポートを書かないといけないとかいった仕事の管理をここでさせてもいいだろう。
◇メモの一覧とメモの内容 ◇仕事の一覧と仕事の内容
リンクやフラグなど、Entourageの各種機能をまたがった連動を行う機能や、ビューとして特定の情報に素早く絞り込む機能なども、前のバージョンからある。それぞれ活用したいと思うところではあるが、これらの機能は実際にどれくらい活用されているのだろうか。 たとえば、メモを使ってFAX送付状とかいったよく使う文書の整理をするということも考えられる。たとえば、WordだけでなくAppleWorksで作ったものでもいいのだが、メモとファイルをリンクすることができる。また、スケジュールに「アップルでプレス説明会」というのを入れたとき、Appleの広報担当者のコンタクト先とリンクしていれば何かと便利ということもあるかもしれない。もちろん、こうした使い方は工夫次第である。 一方、多くの人はそれなりにものぐさでありその点は筆者も同様である。そこまでの記録をするのかということもある。もっとも、ちょっとした走り書きさえ忘れることもあるので、いちいち小さな設定を毎度やっているというマメな行動は取りにくいかもしれない。さらに、こうしてEntourageでリンクやフラグなどと設定してしまった「データ」は他に転用できなくなる。つまり、Entourageで完結させる必要が出てくることもあるので、そのあたりは考えどころでもある。 いずれにしても、リンクやフラグというのは言葉は悪いかもしれないが「そこまで面倒をやってられない」機能でもあると言えるだろう。こうした機能をユーザが有効に使うにはもう一工夫は必要だろう。たとえば、アドレス帳の項目からその人にメールを書く作業に入ることはできるが、その人と交わしたメールが即座に参照できる、つまりリンクが設定されていて、さらにブラウズが容易にできるとかいったことがワンタッチでできないとなかなか使ってもらえる機能にはならない(もちろん、これをビューで解決するという方法もあるだろう)。その意味ではEntourageはまだまだ発展の余地はあると考えられる。
Office v.X for Macは従来とおりデータベースソフトは含まれないが、一般的によく利用されるようなデータベースの用途はよく考えるとEntourageで完結している。アドレス帳とメモ以外となると、あとはカスタムなアプリケーションとなってしまう。もちろん、「宛名印刷できないじゃないか」と思うかもしれないが、実はWordを使えばEntourageのアドレスから抽出して宛名印刷もできてしまう。年賀状もOfficeでばっちりだ(けど発売は1月だぁ…)。その意味ではデータベースを提供しないからといってソリューションに欠けがあるとは言いがたい。ただし、やはりファイルメーカーProを使っているユーザが多いことも事実だ。Entourageのアドレス帳として、バックエンドでファイルメーカーProのデータベースが使えるような工夫があると、Macの世界ではもっと受け入れられるような気もする。 (この項、以上) |