ちょうど忘年会シーズンも終わり、新年会のスケジューリングに忙しい方もいるかもしれないが、Mac関係者にアルコールを注入すると、アップルへの文句がガンガンでてくるといった光景もよく見られる。まあ、酒の上での話で無礼講(と誰が決めたわけでもないけど)として、それでストレス発散するのなら、それなりに許される。だけど、そうした罵声が製品の中に見られたとしたら…。この情報はMDOnlineの読者の田中さんより情報をいただいた。
アッカネットワークスでADSLを導入すると富士通製のモデム「FC3521RA1」がレンタルされてくるのだが、例によって各種の設定はWebブラウザから行える。その設定ツールのソース(/html/jsFolder.js)を見てみると、なんと、次のようなコメントがあったのである。
// force the window to resize to make the v-scrollbar appear. DAMNED MAC!
ソースの前後からすると、Macintosh版のInternet Explorerの場合に、プログラムを書き足して画面のリドローをしないとスクロールバーがでてこないということに対処するらしい。だけど、このプログラムをした人はおそらく最初は何が原因でそんな結果になるのか分からず試行錯誤して苦労させられたのだろう。その結果思わず「DAMNED MAC!」と叫んで…いやキータイプしてしまったらしい。辞書的に訳すと「いまいましいマックめ!」というところだろうけど、さしずめ「マックのくそったれ」に近いのかもしれない。マックの問題かどうかはさておき、当り散らす相手は「マック版のIneternet Explorer」であるべきだろうが、どっちにしても罵声が製品に含まれている。ちなみに、このソースのトップなどに、プログラマの名前として「keng」と書かれている。 もっとも、設定ツールの画面にそうした文字がでてくるなら問題も大きいだろうけど、リンクしているJavaScriptのファイルだけに、わざわざチェックをしないと見えないのは事実だ。別に富士通がアップルを糾弾しようとしてこうしたコメントを入れたわけではないはずだ。おそらく、単なるチェックミスだろう…というか、そこまでチェックをかける必要もなかったと思っていたのかもしれない。ちゃんとチェックすれば、copyrightなどの記述を入れたり、kengなんてプログラマ名は残さないだろう。
プログラムにコメントを入れるのは当然としても、C言語などのコンパイラを通すものなら、その内容は最終製品では消えてしまう。だから、プログラマはある意味では気軽にコメントを書いてしまうかもしれない。だが、HTMLやJavaScriptはテキストファイルだし、プログラマのキータイプ結果はちょっとしたブラウザの操作で見えてしまう。プログラマkeng氏がそれに気付かなかったとまでは思わないけど、まさかお客さんに見られるとは思わなかっただろう。また、製品の検収においてのチェックポイントとして、富士通は考慮していなかったのかもしれない。いずれにしても、プログラマとしては場合によってはコメントは見られることもあるということを状況によっては意識しておく必要はあるだろう。もっとも、コメントを書いているだけましじゃないかという意見もあるかもしれない…。 |