タイトル【MacWIRE配信予定】森下克徳の崖っぷちからWebObjects》第21回〜MySQLでコミュニティサイトを作るv5/FPLって?カテゴリーデータベース, 崖っぷちからWebObjects
作成日2001/12/28 16:37:20作成者新居雅行
前回書いたように、今回はMySQLのライセンスのうち、FPLに関する説明だ。FPLは、MySQL Free Public Licenseの略語で、その名の通りMySQL独自のライセンス方式だ。歴史的なことをいえば、バージョン3.21の時代から適用されているものだ。(さらにその前はGPLのみであった。)3.23.19以降はGPLが適用されるようになったが、FPLもなくなったわけではない。つまり、利用者がどちらか選べる形になっているということなのだ。

FPLでは、次のようなライセンス形態を取っている。

基本的に個人で使う場合、あるいは自分で運用して商用利用する場合、フリーで使える。しかし、MySQLを利用して作ったシステムやMySQLそのものを他者に販売する場合は、MySQLのライセンス料を支払わなくてはならない。(ただし、MySQLサーバに接続するクライアント機能の部分を利用してクライアントプログラムを作った場合には、有料で販売してもその部分についてはライセンス料の必要はない。)また、MySQLをインストールしてあげるサービスを有料で行うのなら、ライセンス料が必要だ。

以上の部分はUnixなどの場合で、Mac OS Xの場合にも適用されるわけだが、マイクロソフト社のオペレーティングシステム上(つまりWindows上ということだ)で利用する場合には、適用されない。それは、Windowsに対応する手間がかなり大変ということで、30日間のお試し期間以降は、個人利用でもライセンス料が必要だ。(ただし、GPLを選択すれば必要無いわけだが・・・。)

MySQLの開発元であるMySQL AB(MySQL の創始者と主な開発者によって所有され、運営されているスウェーデンの会社)では、ライセンスだけでなく、MySQLに対するサポート権も販売している。開発者による直接のサポートを受けられるわけだ。

◇MySQL AB
 http://www.mysql.com/

日本でのライセンスやサポート権の販売は、総代理店である株式会社ソフトエージェンシーが行っている。不明な点はぜひ問い合わせてみよう。詳しいFPLの内容も、そちらのホームページで日本語で参照できる。

◇株式会社ソフトエージェンシー
 http://www.softagency.co.jp/

さてでは、GPLとFPLとどこがどうちがうのだろうか。Windowsを除いて、個人や組織内部で使っている限り、どちらを取ろうとただなので変わりないといえば変わりない。違うのはMySQLを利用したシステムを販売しようとした時だ。「商用製品を作るために、高速で高品質のデータベースを必要としているが、製品をオープンソースにしたくない場合には、MySQLを一般的な商用ライセンスの下で使う権利を購入することができます。(MySQLのドキュメントより)」ということで、つまりFPLならライセンス料は必要だけど、そのかわり商売として成り立つ。GPLなら、ライセンス料はいらないけど、作ったものをオープンソースにしなくてはならないので、まず直接の商売にはならない。ということだ。

ところでライセンス料だが、オラクルなどの商用データベースはとにかく大変な額のライセンス料なわけだが、MySQLの場合は、日本円で2001年12月28日現在、MySQLサーバ1台当たり(クライアントは無制限で)28000円である。この種の製品としては、破格の安値と言えるだろう。

さあ、次回はインストールだ。いよいよCUIな世界に突入である。
[森下克徳]
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