タイトル【MacWIRE配信予定】森下克徳の崖っぷちからWebObjects》第22回〜MySQLでコミュニティサイトを作るv6/MySQLのインストールカテゴリーデータベース, 崖っぷちからWebObjects
作成日2002/1/31 18:8:52作成者新居雅行
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さて、さっそくインストールに取りかかろう。アップルが提供しているMySQLのパッケージもそうだが、普通に素直にインストールすると、Finderからは見えない、/usr以下の領域にインストールされる。本格運用時にはそうするとしても、Macな身には、まだよくわかってないものを、Terminal.appだけであやつらなくてはならない状況はちょっとつらい。実は、Mac OS X Server 1.2までは、システムの領域もFinder(というか、当時はWorkspaceManagerと言ったが)上でぱかぱかクリックして開いて行けたので、MySQLがそのような領域に入ったとしても、GUI上で見えていた(図1)。今から考えると、だからこそ最初の一歩が踏み出しやすかったようにも思う。

◇図1
 

そこで今回は、自分のホームスペースにインストールしてしまう方法をお教えしよう。こうすれば、各種ファイルがどのように配置されているのか、Mac的に見られると言う寸法だ。

まず、自分のホームディレクトリに、MySQLをインストールするフォルダ「MySQL」を作っておこう(図2)。図にある「src」というフォルダは、InternetExplorerの環境設定でダウンロードフォルダとして指定したもので、MySQLのソースもここにダウンロードされている。この場所は環境設定を触っていなかったらデスクトップにそのまま展開されているだろうし、他に設定していればその場所で、つまり人それぞれのはずだ。なので、各自でその当たりは読み替えてほしい。

◇図2
 

「src」フォルダの中にある「mysql-3.23.47.tar.gz」をStuffItExpanderに展開させると、「mysql-3.23.47」というフォルダができる。(なお余談であるが、InternetExplorerには、StuffItExpanderを利用したセキュリティホールが見つかっている。この脆弱制を利用した悪意あるWebサイトを開くと、自動解凍後、自動マウントされたイメージディスクにある任意のコードをローカルで実行されてしまうと言うものだ。InternetExplorerでダウンロードしたものを、StuffITExpanderに渡さないように設定しておいた方がよいだろう。)
ここからはどうしてもTerminal.appを利用しなくてはならない。ただしMacOSXのTerminalはGUIと連係してくれるので、この手を使わない手はない(図3)。図のようにアイコンをTerminalのウインドウにドラッグ&ドロップすると、カーソル位置に自動的にそのアイコンのパスを書き込んでくれるのだ。図ではウインドウのタイトルバーからドラッグしているが、普通のアイコンでかまわない。

◇図3
 

では、Terminalのウインドウをアクティブにして、最初に「cd」と打ち込んでスペースをあけよう。そして、Finder上で「mysql-3.23.47」フォルダを選択し、Terminalのウインドウに落としてみよう。パスが入ったのを確認したら、Terminalをアクティブにしてリターンキーを押す。すると次の行に進んで「mysql-3.23.47」フォルダの中に入っている。

まず最初は、様々なシステムに対して広くソフトウェアのコンパイルができるように考えられたautoconfというシステムを利用する事になる。つまり、UNIXといっても千差万別で様々にシステム依存の部分があるので、すべてのためにコンパイルの仕様書であるMakefileを用意するわけには行かない。この差異を調整して適切なMakefileをその都度作ってしまおうというのが、autoconfである。またこの時には、ソフトウェアの様々な所作を指定したり、インストール先を指定したりする。
今回はここでこのように打ち込む。

./configure --prefix=

そしてスペースを一つ空けた後、先ほどの技を使ってホームディレクトリに用意した「MySQL」フォルダを放り込む。続けて、日本語での動作を指定する。横に長くなるようなら、そのまえに\(バックスラッシュ)を打ち込んで改行すれば、次の行に続ける事ができるので活用しよう。基本的に日本語をEUCで扱うのなら「--with-charset=ujis」Shift-JISなら「--with-charset=sjis」とする。ここではEUCで扱う事を前提にしておく。さらに、起動時の指定によっては別の言語も使えるように、「--with-extra-charsets=all」をつけておこう。また、今回は自分のホーム内にインストールするので、「--with-mysqld-user=hanako」とつける。ただし、この例ではユーザhanakoが行っているのでuser=hanakoなのだが、現実には各自それぞれのユーザ名を入れよう。

次に改行すると文字がずらずら流れて行って、いろいろ調べながらMakefileを用意してくれる。これはちょっと時間がかかるかも知れない。これが終了したら、次にmakeと打ち込みリターン。ここからがコンパイルである。先ほどの./configureの何倍も時間がかかるので、ゆっくりコーヒーでも飲みながら待つとしよう。

コンパイルがうまく行けば、最後にWelcomeメッセージがTerminal上にあらわれる。ここまで来ればもう問題はない。ホームディレクトリの中にインストールするのでsudoする必要もなく、単にmake installリターンとすればインストールが完了だ。それでは、最初にインストール用に用意した「MySQL」フォルダをFinder上で開いてみよう(図4)。ちゃんとインストールされているのがわかるだろう。

◇図4
 

それでは次回は、インストール作業に伴う最初の設定を行おう。

――――★今日打ったコマンドのまとめ
% cd /Users/hanako/mysql-3.23.47
% ./configure --prefix=/Users/hanako/MySQL \
--with-charset=ujis --with-extra-charsets=all \
--with-mysqld-user=hanako
% make
% make install

[森下克徳]
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