タイトル【MacWIRE配信予定】MPEG-4対応を発表するもライセンスに異議を唱えリリースは行わずカテゴリーメディア制作, QuickTime, 業界動向
作成日2002/2/13 15:31:17作成者新居雅行
Appleは、MPEG-4に対応したQuickTime 6のリリースをアナウンスしたが、実際のリリースはMPEG-4に関するライセンスの修正を待つとしている。また、β版がリリースされていた、QuickTime Streaming Server 4の正式リリースも発表された。また、リアルタイムのストリーミング放送を実現するQuickTime Broadcasterについても発表された。
QuickTime 6はクライアントで利用できるマルチメディアシステムで、各種の動画やサウンドのコーデックに対応し、プレイヤを使って再生やあるいは編集が行える。Mac OS X版はリリースされるものと思われるが、対応OSについてはアナウンスは今のところはない。OSに付属され、フリーで配付されるものと思われる。
QuickTime Streaming Server 4はすでにフリーでダウンロードが可能である。MPEG-4やMP3のストリームに対応している。Mac OS X Server対応となっている。なお、Darwin Streaming Serverも同時にリリースされており、Mac OS Xをはじめ、LinuxなどいくつかのOSで利用できる。
MPEG-4は、ストリーミング放送に適した画像や音声の圧縮形式で、ISO規格の一部でもあるが、MPEG-4の策定においてはQuickTimeフォーマットの採用もアナウンスされており、Appleの肩入れは強かった。MPEG-4は、転送レートもある程度自由に設定可能で、圧縮率を数十分の1から数千分の1にできるというのが特徴である。MPEG-4をシステムに組み込むなど製品に利用する場合のライセンスについては、Appleは妥当としている。しかしながら、MPEG-4については、このフォーマットを使ってコンテンツを配信する側からもライセンス料を徴集するというライセンスとなっている点は、Appleは反対をしている。Appleとしては、QuickTime Streaming Serverを事実上オープンソースでフリーで配付するなど、コンテンツ提供者からの集金を行わないモデルでのストリーミングの上流展開をしているだけに、MEPG-4のライセンス料金が普及のネックになることを懸念しているのだろう。

◇Apple Previews QuickTime 6 with MPEG-4
 http://www.apple.com/pr/library/2002/feb/12qt6.html

QuickTime Broadcasterはライブでのストリーミングが可能であり、つまりは生中継のストリーミングを行うためのソフトウエアだ。MPEG-4をはじめ、すべてのQuickTimeのコーデックに対応しており、AppleScriptにも対応している。ハードディスクへのレコーディングに加えて、サーバへのTCP/IPでの送信にも対応している。QuickTime Broadcasterは、QuickTime 6とMac OS X 10.1以降で利用でき、フリーでダウンロードできるようにする予定である。

◇Apple Previews New QuickTime Broadcaster Software
 http://www.apple.com/pr/library/2002/feb/12qt_broadcaster.html

いずれにしても、ムービーのシェア争いは、完全にインターネットのストリーミングがベースになった。MEPG-4というスタンダードを盾にするAppleと、先行の利を生かしてきたReal Networks、そしてOSにプレイヤをバンドルすることでシェアを一気にのばしたWindows Mediaが争うことになる。
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