――――NetInfoディレクトリの親を作る まず、Mac OS X Serverで、NetInfoの上位のディレクトリを新たに作成する必要がある。/Applications/Utilitiesフォルダにある、NetInfo Domain Setupをダブルクリックして起動する。NetInfoのところに現在の設定が見えるが、「ローカルのNetInfoのみを使用します」となっている。また、変更ができないようになっている。
ここで、「ネットワークの場所」というのは、システム環境設定の「ネットワーク」で指定する「場所」である。つまり、場所の設定に応じて、上位のディレクトリに接続する方法を選ぶことができるということだ。たとえば、社内で使うときにはチェックを入れるけど、モバイル時には場所を変更して、そちらではチェックが入っていないようにして、上位のディレクトリを利用しないといった使い方ができる。 そして、3つのチェックボックスがある。これらはそれぞれ、上位のディレクトリを探す手段である。1つだけでも、3つともチェックを入れてもかまわない。最初のブロードキャストは、Mac OS Xを起動時にネットワークにブロードキャストをしてサーバを探すという手段である。これだと、もちろん、サブネット内とか、ルータを超えることができないなどサーバとクライアントの位置は物理的な制約がある。なお、NeXT時代はこのブロードキャストによるサーバ検索しかできなかったそうだ。 一方、DHCPを使うものは、DHCPでのIPアドレスのリース時に、NetInfoの上位ディレクトリが存在するサーバの情報も伝達しようというわけである。DHCPからクライアントに対して上位のディレクトリが稼働しているサーバのIPアドレスと、サーバタグが伝達される。ちなみに、Mac OS X ServerをDHCPサーバにしていれば、このNetInfo情報を加えることは後で説明するように簡単に行える。 「特定のNetiInfoサーバに接続する」をチェックした場合には、サーバアドレスとして、IPアドレスを、そしてサーバタグとして通常は「network」を指定する。この場合は、つまりはNetInfoのサーバの場所を手入力しているに他ならない。 いずれを選択するかは、ネットワークの事情によって異なるだろう。 こうして、NetInfoのチェックを入れて設定を行った後、「認証」のタブを見てみよう。新たに/NetInfo/rootというノードが加わっているが、これが、別のサーバにある上位のディレクトリである。以下の図では、自分のマシンのディレクトリは、/NetInfo/root/local@192.168.1.101という方である。後者の方にはlocalというディレクトリが付加されている形になる。
――――DHCPサーバの設定 Mac OS X ServerのDHCPサーバの設定は、Server Adminを使って行うことができるのであるが、アドレス範囲などに加えて、NetInfoの設定項目もある。NetInfoの上位ディレクトリ検索をDHCPで行う場合にはこの設定を行う必要がある。DHCPの設定ウインドウを呼び出し、サブネットの設定を開くと、NetInfoというタブがある。NetInfoタグは、通常はnetworkと指定する。そして、NetInfoの上位層というところには、上位のディレクトリが稼働しているマシンのIPアドレスを入力する。
◇DHCPでNetInfoの上位ディレクトリに関する情報を設定
なお、それではMac OS X Server以外のDHCPサーバを使うときにどうしたらいいのかということも気になるかもしれないが、よく考えてみると、そうした使い方はどちらかと言えば特殊なのかもしれない。通常は、NetInfoの上位ディレクトリを稼働させるのだから、Mac OS X Serverも動いているということになるだろう。 ‥‥‥‥‥‥‥この項、続く‥‥‥‥‥‥‥[新居雅行]‥‥‥‥‥‥‥