タイトル【MacWIRE配信予定】Flashの次期バージョン「Flash MX」を発表、Webアプリケーションのクライアント開発機能を強化(1)カテゴリーオーサリング系, 各種プロダクツ
作成日2002/3/7 19:5:4作成者新居雅行
2002年3月7日、マクロメディアは恵比寿ガーデンホールで、新製品発表会を開催した。Webでの動画やインタラクティブなコンテンツを開発・配付する環境として、スタンダートとなったFlashの久々のバージョンアップに関するアナウンスが行われた。新しいバージョンは「Flash MX」と名付けられている。
最初に代表取締役の井上基氏からの話が行われた。インターネットは社会的なインフラになってきているけども、他のインフラほど簡単に使えるものでもなく、Webページは退屈で、eコマースは複雑で購買に結びつかないと指摘した。マクロメディアはこうした状況を変えるとし、集客力や訴求力のあるeビジネスサイトを簡単に構築できるようにするとした。今後さまざまなMXシリーズを投入し、インターネットを21世紀に見合ったものに進化させる。MXはMiracle eXperienceの略である。
Macromedia社の上級副社長Stephen A.Elopにバトンタッチした。今日のインターネットは、エキサイティングではなく、多くの人はユーザ体験が貧しいため、ショッピングを最後まで行わないといったことになってしまっている。また、お金がかかり、調査によると10億ドルが無駄になっているが、それはアプリケーション自体が複雑なためである。そして、インターネットは停滞し、進化は遅くなってしまった。こうした問題を解決する新しい技術を導入し、インターネット体験を向上させる必要がある。今のブラウジングはページからページに移動すると言った方法になっているが、将来はBrowsingではなくDoingになる。そのためには、強力なアプリケーションと、リッチなコンテンツが必要になる。ここでBrowsingからDoingへと移行するとどうなるかといったことがデモされた。ホテルの予約サイトを題材にして、ページからページに移動する形式のブラウジングを示した。必要な情報を1つ1つのページで入力や選択を行うが煩雑な作業である。一方、同じアプリケーションをマクロメディアの技術で作ったリッチアプリケーションとして構築した場合、すべては1つのページで入力できる。入力はどの順番でも良く、滞在日の指定はカレンダーでできるなどより使いやすくすることができる。ユーザの行動を調査してサイトを改善した結果、5ページで行っていた入力が1ページでできるようになり、トラフィックは低減させることも実現した。こうしたページを作るのに使ったのはFlash Ver.5である。Flashは4億以上のコンピュータにインストールされており、98%のコンピュータをカバーしている。ただし、こうしたアプリケーション作成は非常に難しいものであったが、新しいFlash MXでは状況が変わる。Webデザイナ対してリッチなコンテンツが可能となり、さらにリッチなアプリケーション作成が容易になる。今後さまざまなMXシリーズのアプリケーションをリリースする。Cold Fusion MXやそれ以外のサーバプロダクトも予定されている。
Macromedia社のプロダクトマネージャJeremy Clarkからの製品説明に移った。最初にeトレードのアプリケーションを題材にしたプロモーションビデオを紹介した。Flashは数多くの有名ブランドでFlashを採用している。Ciscoはルータ設定のトレーニング、IBMはAnnual Report、Coca ColaやVolkswagenの新製品プロモーションといったところに使っている。また、動画以上にリッチアプリケーションとして使われている。GMではXMLを使ったダイナミックなコンテンツ生成、Sony ClassicではJPEGやMP3をインポートするといった使い方がされている。Flashの3つの特徴を示したが、は第一にユーザ体験をリッチにすることだ。2つ目として、パワフルなことからデザイナや開発者に対して強力な機能を提供する。3つ目として、素早く開発ができる。リッチコンテンツにおいてはFlashが広く使われているが、ベクターグラフィックスなどの特徴が知られている。新しい機能としてはビデオのサポートが行われたことが挙げられる。外部のプレイヤを使わないで、ページ内部でビデオを表示したいというニーズがあった。ビデオの表示についてもデザイナがコントロールできる。ビデオ映像をいろいろな角度で見ることができるといった例が示された。そして、アクセシブルにするテクノロジーとして、Webページの読み上げが利用されているが、今までだとFlashのコンテンツは飛ばして読み上げていた。Flash MXでは読み上げに対応しており、開発時に読み上げに対応する設定ができるようになっている。さらに、PDA内蔵の携帯電話からパソコンOSまでサポートしており、携帯電話向けのコンテンツのデモも行われた。開発環境は柔軟に作られており、開発者だけでなくWebデザイナにとってもいいものを提供する。ツールパネルをたくさん開かなくてもいいようになっており、画面の周囲に配置できるようになっている。パネルはデザイナ向けと開発者用が用意されており、最初に訪ねるようになっている。スクリプト言語はECMAScriptであり、Javaの知識が活用できる。HTML、XML、MP3をサポートし、Unicodeテキストもサポートした。さらにeラーニングのテンプレートなども付属する。さまざまなコンポーネントが付属するが、コンポーネント自体の交換もサイトを通じて活発に行われている。そして、株価を表示するようなアプリケーションでも表示に20秒かかっていたのが2秒で済むようになった。ユーザ体験だけでなく時間の節約によりビジネス的にも有効である。また、別のサイトでは、HTMLよりFlashのページの方が5倍速く利用でき、帯域が減ってサーバへの負荷も減少する。また、リッチなコンテンツでページの滞在時間も増加させることできる。Unicodeサポートでマルチ言語が可能となり、ビデオサポートも実現している。デバッグ環境も含まれているので、プログラムのテスティングが容易になる。MicrosoftやAppleを始め各社とパートナーシップを結んでいる。Flashは全ての人にリッチなユーザ体験、デザイナとデベロッパに対する強力なツールである、実質的な効果が期待できるとして、結んだ。
‥‥‥‥‥‥‥この項、続く‥‥‥‥‥‥‥
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