タイトル【MacWIRE配信予定】森下克徳の崖っぷちからWebObjects》第23回〜ひとまず区切りだ…うんカテゴリー 崖っぷちからWebObjects
作成日2002/3/30 15:27:22作成者新居雅行
さて、このところ私としては珍しく、横道にそれないでまじめに本題に切り込んできていたので、今回はちょっと脱線から始まるのであった。

私はよく、FM(あっファイルメーカーじゃなくラジオのね。>某方面の方々(^_^;;)を聞きながら過ごすことが多い。昨年何度かお話したIT講習会への道中も、おんぼろ車にFMを流しながら走ったものだ。FMというとお上品な感じがするかも知れないけど、関西のFMはちょっと濃いよぉ〜。一昔前の元気のよかったAMの深夜放送ののりに近いけどFMなんだよねっていう感じの世界なのだ。なんたって、朝の5時から朝レン(アサレン5・FM OSAKA)でしごかれるんだから…。で、午前中は、クリスマスシーズンになぜか「恐い歌特集」なんてして、「ゲゲゲの鬼太郎」とか山崎ハコの「恨みます」とか流していたっちゅう「ブレックファーストクラブ」(FM OSAKA)を聞いて、昼からは「JAC851」(FM OSAKA)を聞いて、それが終わったら「THE REQUEST SQUARE」(α-STATION)というのが定番なのであった。

◇FM OSAKA
 http://fmosaka.net/
◇アサレン5
 http://fmosaka.net/cf_asaren.html
◇ブレックファーストクラブ
 http://fmosaka.net/cf_bfc.html
◇JAC851
 http://fmosaka.net/cf_jac.html
◇α-STATION
 http://fm-kyoto.jp/
◇THE REQUEST SQUARE
 http://fm-kyoto.jp/ttframe.html

ところでその聞いていた「ブレックファーストクラブ」なんだけど、3月いっぱいで9年の歴史に幕を引いた。折しも今、京都は賀茂街道の桜が満開でただでさえ門出の気分をかもしているのに、最後の放送はそりゃもう感慨に浸っちゃったねえ…。単なる一リスナーなんだけどね。

そちろんそこには、私も一原稿書きとして座を汚してきたMDOnlineが幕を引くと言う自らの境遇もあってのことで、なんつうか、ほんまに何か一つ卒業を迎えたなと言う実感がじわじわと、こみあげてくるのである。

この連載は、専業のWO屋ではないサーバ稼業にとって、WOのもたらすものは何かを確かめて行くつもりで書いてきた。さらに、サーバ稼業をなり立たすために、WOだけにこだわらないスタンスで、むしろWOの向こう側にあるデータベースシステムから見たネット世界を俯瞰する予定であった。

ところで、こんな事件があったのはご存じだろうか。大学の教授が、学生600人分の成績データをインターネット上で公開してしまったと言うものだ。

◇毎日新聞 学生の成績を個人サイトで公開
 http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200203/16/20020316k0000e040045001c.html

教授は、学生からの成績の問い合わせが多いために、それに対処するためとして学生に事前に告知した上で公開していたと言う。これに対してプライバシーの観点から批判が寄せられ、公開は打ち切られたのだ。

このできごとはたしかに問題はあろうが、プライバシーはひとまずおいて考えれば、この教授はコンピュータやネットの利用法として、実に素直なある意味真っ当な使い方を実践したとは言えないだろうか。本来コンピュータと言うのは、楽をするための道具である。私の場合、プログラムを組みはじめたのがMacを自動化させるための手立てとしてのAppleScriptからだったのでよけいにそう思うのかも知れないけど、やっぱり自動処理こそが単なるワープロとパソコンとの違いだと思う。そうするとこの教授は、600人もの学生からランダムに発せられる成績問い合わせに対して、パソコンとネットを経由していつでも自分の仕事を中断することなしに対応できる手立てを作ったまでのことで、非常にすばらしいナイスアイデアである。ところが一点、問い合わせ側が自分のものだけでなくだれのものでも見れてしまう、さらに第三者までもが閲覧できる、というところに問題があった。もしも、問い合わせ側が自分の成績のみを参照可能な作りになっていたら、問題とはならなかっただろうに…

そうするとほら、思い至っちゃうんやねえ。こんなところにこそ、WebObjectsの出番があるのではないだろうかって。

ほんの2年ほど前まで、高級自動車なみの値段がしたWebObjectsは今、個人でもちょっとやりくりすればなんとか手に入るものになっている。ということは上記のような、WOで飯をくっている人以外にも、活用の幅は確実に広がって行くと思う。

さて、そう言う人たちのためのこの連載。ひとまず、MDOnlineからお送りするのはこれが最後だ。この続きがどうなって行くのかまだ決まっていないが、私としても、どうにか形にして行きたいと思っている。

最後にいくつか。前回までの説明で、いくつかソフトウェアをインストールしたりしたが、環境の関係でネット接続はMac OS 9という方で、tar.gzなソースファイルをダウンロード後、Mac OS 9側で展開してしまった方がいらしたようだ。この場合必要な情報が失われてしまい、Mac OS Xに起動しなおしたとしてもconfigureなどができなくなってしまう。Mac OS 9側でダウンロードするところまでは問題ないが、解凍せずにMac OS X側で展開しよう。そうすれば問題なくconfigureできるはずだ。

前回の番外編で紹介したWebDAVのソリューションの件。じつはUTF-8にはバージョンがあって、たとえばMS-Windowsとの間でやりとりすると、一部の文字で問題が起こったりする。これに対処するためのmod_davとmod_encodingに対する暫定的なパッチが、宮本久仁男氏によって提供されている。

 http://webdav.todo.gr.jp/download/experimental/mod_dav_encoding_patch_formacclient.tar.gz

問題が起こっている方は、ぜひこれをためしてバグレポートをしてほしい。

さあ、以上でひとまずおもいっきり中途半端ではあるが、区切りをつけさせていただく。2年間おつきあいいただいた読者のみなさん。どうもありがとう。また辛抱強く原稿につきあって下さった、MDOnlineの新居雅行さん、本当にありがとう。そしてごくろうさまでした。

∽∽∽∽∽∽∽この項、以上∽∽∽∽∽∽∽[森下克徳]∽∽∽∽∽∽∽
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